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アドバンスソフトとビジュアルテクノロジー、CAEに特化したデスクサイド型スパコンを2021年3月に発売

NECのPCIeカード型ベクトルエンジンを搭載

 アドバンスソフト株式会社とビジュアルテクノロジー株式会社は17日、CAEに特化したデスクサイド型スーパーコンピュータのアプライアンスモデルを販売開始すると発表した。

 製造業やプロセス業において、ものづくりのDX(デジタルトランスフォーメーション)が進む昨今では、中小規模の企業においても上流工程のデジタライゼーションが急速に進んでいるという。また、こうした状況では、セキュリティ上の観点から、自社の生命線ともなるデジタルデータを自社内のスーパーコンピュータにおいて、より高速に計算する必要が生じているとのこと。

 今回発表されたデスクサイド型スーパーコンピュータは、そうしたニーズに応えるための製品。2020年5月に開設した「NEC 共創コミュニティ for SX-Aurora TSUBASA」の活動の中で、パートナーであるアドバンスソフトとビジュアルテクノロジーが協業し、NECのベクトル型スーパーコンピュータ「SX-Aurora TSUBASA」のPCI-Expressカード型ベクトルエンジン(VectorEngine:VE)を活用して製品化された。

 具体的には、ビジュアルテクノロジーのワークステーション「VT64ワークステーション」にVEを実装するとともに、アドバンスソフトが開発した電磁波解析用アプリケーションソフトウェア「Advance/ParallelWave」をあらかじめインストールした状態で出荷するため、導入後すぐに利用を始められるという。

 また、電磁波解析の計算を行うエンジンとしてNECのVEを搭載していることに加え、計算結果を高速に表示するためのグラフィックスカードとして「Nvidia Quadro P400」も搭載しており、高速計算と高速表示を1台で実現できるとしている。

 価格は、ハードウェアとアプリケーション、それらを即日稼働可能な状態にするセットアップ作業費用を含めて498万円(税別)から。販売はアドバンスソフト、またはビジュアルテクノロジーが担当し、2021年3月下旬の出荷開始を予定しているとのことだ。

 なお3社では、今回のモデルに加えて、熱流体解析ソフトウェア「Advance/FrontFlow/red」など、異なる領域のアプライアンスモデルの製品化も予定している。