KDDIとNEC、固定通話の事業者間IP接続に向け「OpenStack Tacker」を利用した仮想ネットワーク管理機能を開発

　KDDI株式会社と日本電気株式会社（以下、NEC）は26日、固定通話における国内事業者間のIPベースでの相互接続（以下、IP相互接続）への移行に向け、オープンソースソフトウェア（OSS）の「OpenStack Tacker（以下、Tacker）」を利用した仮想ネットワーク管理機能（VNFM）を、10月20日に開発したと発表した。

　固定通話における国内事業者間の接続に使用する従来の回線交換方式は、開発者の確保や専用設備の継続的な開発が課題となっており、2021年以降、段階的にIP相互接続していくことになっている。

　KDDIとNECでは、OSSであるTackerをもとに、IP相互接続化に伴い導入するさまざまな仮想ネットワーク機能（VNF）の管理や制御、構成変更を自動で行う仮想ネットワーク管理機能を開発した。

　TackerをもとにしたVNFMは、1）共通的で柔軟なインターフェイスによりVNFをネットワークに接続することが容易となり、迅速なサービス提供が可能、2）Tackerはネットワーク仮想化の現実的な課題の解決に継続的に取り組んでおり、商用機能開発へ有効活用が可能、3）公開された場で多くの開発者に貢献、評価、監査されるため、信頼性が高く、安定した運用が可能――といった特徴があると説明。開発した成果はOpenStackのコミュニティに還元し、Tackerの発展に貢献していくとしている。

　なお、NECでは、Tackerをもとに開発した商用のVNFM製品を「NEC OSS（Open Source Software） MANO」として、通信事業者向けに提供している。

　KDDIとNECでは、信頼性や柔軟性に優れ、コストメリットがあるOSSのTackerの共同開発とコミュニティへの還元を通じ、OpenStackコミュニティの活性化とTackerの発展に向けて協力していくとしている。