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Red Hat、「Red Hat Enterprise Linux 8.2」を発表、システムモニタリングやコンテナ関連を強化

 米Red Hatは現地時間21日、商用Linuxディストリビューションの最新版「Red Hat Enterprise Linux(RHEL) 8.2」を発表した。RHEL 8.2は、Red Hatカスタマーポータルを通して近日中に提供予定。

 最新版では、Red Hatの予防的な運用およびセキュリティリスクマネージメント製品「Red Hat Insights」のアップデートにより、ITセキュリティ、コンプライアンス体制、運用効率に対する可視性を向上。手作業の方式を排除して大規模で複雑な環境の管理における生産性を向上させるとともに、これらのデプロイメントにわたるセキュリティとコンプライアンスを強化する。

Red Hat Insights

 また、組織の重要な内部ポリシーの定義と監視、およびどのRed Hat製品アドバイザリや改善ガイダンスがRHELのインスタンスに該当するかの判断に役立つ、新しいポリシーおよびパッチサービスや、ITチームがシステムを基準と比較するために役立ち、複雑性の低減と問題解決の促進のための戦略の指針となるベンチマークを提供するドリフトサービスを追加した。

 こうしたRed Hat Insightsの進歩により、分散型IT組織に対応するよりスマートなモニタリングが可能となり、実運用に影響を与える前に潜在的な問題をインテリジェントな形で検出、診断、対応するために役立つとしている。

 このほか、モニタリングおよび性能に関するアップデートとしては、コントロールグループ(cgroups)v2によるリソース管理の向上や、NUMAおよびsub-NUMAサービスポリシーによる性能重視のワークロードを最適化する機能の強化が行われ、パフォーマンス分析の「Performance Co-Pilot(PCP)5.0.2」にはMicrosoft SQL Server 2019用の新しいコレクションエージェントが追加された。

 コンテナ関連では、Red Hatコンテナツールのアップデートされたアプリケーションストリームが利用可能で、24カ月間サポートされる。さらに、コンテナ内にコンテナを構築して隔離とセキュリティの層を追加したいと考える組織向けに、SkopeoおよびBuildahのコンテナバージョンがテクニカルプレビューの形で提供される。

 また、コンテナ化ワークロードのセキュリティをさらに高めるために、REHL 8.2ではカスタム化されたコンテナ中心のSELinuxセキュリティポリシーをより容易に作成できる新しいツールの「Udica」を導入。Udicaを特定のワークロードに適用すると、プロセスが他のコンテナ間またはホスト自体に問題が発生するリスクを低減できる。

 汎用目的で利用できるRHELのコンテナイメージ「Red Hat Universal Base Image」については、OpenJDKおよび.NET 3.0のサポートや、単一のコマンドによる特定イメージの関連ソースコードへのアクセス向上などを行った。

 このほか、RHEL 8.2では、ユーザー体験のさらなる合理化として、インストール過程の一部としてRed Hat Enterprise Linuxサブスクリプションの登録を統合するなどの対応を行っている。