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東京ガスiネット、機能テスト/運用オペレーション自動化ツールでシステム品質の向上に成功

 株式会社アシストは25日、東京ガスiネット株式会社が、マイクロフォーカスエンタープライズの機能テスト自動化ツール「Unified Functional Testing」、運用オペレーション自動化ツール「Operations Orchestration」を採用したと発表した。これにより、システム品質向上および工数の削減に成功したという。

 東京ガスiネットは、東京ガスグループの情報システム会社で、同社の導管ソリューション部 GISグループでは、ガス管の整備管理のために利用する、約40種の地理情報システムを開発・運用しているという。

 このシステムは、ガス管の工事からガス漏えい検査など、日常的なガス供給、防災・保安に大きな影響を及ぼすため、常に正常稼働することが求められており、有事の際にも利用できるよう、毎日早朝に人手で行う稼働確認や、システムの操作方法やノウハウが属人化することで緊急時の対応が懸念されたことから、作業自動化に対する要求が高まっていたとのこと。

 さらには、システムの機能拡充や半年に1度のWindows 10の大型アップデート時には、数千におよぶテストを手作業で実施していたため、その人員確保や品質保証にも課題を抱えていた。

 そこで同社は、現場の業務改善と属人性排除の観点から、システムの稼働確認を自動化できる仕組みを検討。アシストからの提案を受け、機能テスト実施時の画面操作や証跡取得、システム稼働確認時の画面操作など、各種作業の自動化を目的にUnified Functional Testingを導入した。さらに、Unified Functional Testingへの定期的な実行命令や結果判定、メール通知などの運用面の自動化を行うためにOperations Orchestrationを採用している。

 この結果、システムのリリース時だけでなく日常的にユーザー目線での動作確認を実施し、システム品質向上を図るとともに、約1人月弱/年の省力効果を発揮できた。また、半年に1度発生するテスト工程の全作業を自動化し、テスト実施漏れを防止することで、約10人日/回の工数を削減できたという。

 このほか、担当者に依存しないテストや稼働確認の仕組みと情報共有によって、属人化が排除され、現場の業務改善に貢献したとのこと。

 今後GISグループでは、2020年度にかけてグループ内の約30のシステムをクラウド環境へ移行予定であり、Unified Functional Testingで作成済のテストシナリオをそのまま利用することで、テスト期間の大幅短縮を見込んでいる。

 また、削減された時間を利用して業務棚卸を進めることで、さらなる効率化や業務自動化を検討する予定だ。