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NECと日立、RPA運用最適化など運用管理ソフト分野における協業を拡大

共同でRPA運用管理ガイドを策定、両社のRPA運用管理ソフトを相互OEM供給

 日本電気株式会社(以下、NEC)と株式会社日立製作所(以下、日立)は23日、システム運用管理ソフト分野での製品相互供給を主とした提携を発展させ、RPAやAI、IoTなどを取り入れたシステムの運用最適化の実現に向け、協業範囲を拡大することで合意したと発表した。

 NECと日立では、2001年11月にシステム運用管理ソフト分野における提携後、アプリケーション管理やセキュリティポリシー管理分野におけるソフトウェア製品の相互供給を、NECの統合運用管理ソフトウェア「WebSAM」、日立の統合システム運用管理「JP1」において進めてきた。さらに、顧客のRPAをはじめとした各種新技術導入の動きに対応し、企業の情報システムの運用最適化に貢献するため連携を強化する。

 協業拡大の第一弾としては、RPAの運用管理の課題に共同で対応する。RPA運用の継続的改善に向けた運用管理ガイドを共同で策定するとともに、RPA関連の運用管理ソフトを相互に供給し、両社の運用管理ソフトウェア製品群へ新たにラインアップする。

 RPA運用管理ガイドは、両社の運用管理ベンダーとしての知見・ノウハウを取り入れ、RPA運用管理に役立つ指針などをまとめ、両社のウェブサイトで3月に公開する。RPAの本格導入において必要となってくる運用設計やガバナンス統制の考え方、稼働後の実行統制やRPA稼働環境の監視に加え、RPAの導入評価や改善、変更点の管理などの各種シーンに対応可能な指針や直面することの多い課題に対する対応策を掲載する。

 また、RPAの継続的な運用の改善を支援する両社のソリューションを早期に拡充することを狙い、両社が有するRPAの運用管理に有用なソフトウェア群の一部を相互にOEM供給する。

 NECから日立へは、RPA導入支援およびPC作業手順記録の「WebSAM IT Process Operations for RPA」と、IT運用改善支援の「WebSAM IT Process Operations」を3月からOEM供給する。日立からNECへは、クライアント業務自動化の「JP1/Client Process Automation」と運用ナビゲーション支援の「JP1/Navigation Platform」を6月からOEM供給する。

 これらの製品の活用により、RPA化に適した作業の選定・把握や、RPA化した作業の実施状況の一元的な管理が容易になると説明。また、RPA導入範囲を拡大する際の業務手順のナビゲーションや、作業手順の自動化、マニュアル化に加え、RPA導入による業務改善効果の測定などが効率的に行えることにより、他部門へのRPA横展開時の統一したサポート体制の策定と効率向上に貢献するとしている。

 NECと日立では、これらの連携によりRPA運用の効率化と継続的な改善を実現し、企業や組織におけるRPAを活用した働き方改革の推進に貢献すると説明。今後はさらに、IT運用におけるAI活用やIoTの運用管理などの分野についても協業活動を推進していくとしている。