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AIを活用してインフルエンザの“流行予報”をお知らせ――、さいたま市で流行予測サービスの実証を開始

予防に役立つ関連情報も配信

 株式会社日立製作所(以下、日立)と損害保険ジャパン日本興亜株式会社(以下、損保ジャパン日本興亜)は4日、埼玉県さいたま市において、AIを活用し、インフルエンザの流行状況を予測・情報配信するサービスの実証を行うと発表した。期間は2019年12月6日から2020年3月20日まで。

 具体的な取り組みとしては、さいたま市における、4週間先までのインフルエンザの流行度合い(レベル0~レベル3)の予報サイトを立ち上げ、住民向けに公開する。

画面イメージ

 この予報では、日本医師会ORCA管理機構が全国4000以上の協力医療機関から提供を受け、インフルエンザを含む感染症の罹患(りかん)者数データを市区町村別にまとめた「ORCAサーベイランス」を利用しており、医療機関の提供データに基づいた高精度な予報サービスとして提供されるとのこと。

 住民はPCやスマートフォン、タブレット端末などからこのサイトにアクセスすることにより、さいたま市における流行速報、インフルエンザの予防・処置に役立つ関連情報をいち早く把握できるという。また、小売店の店舗内にあるサイネージにも予報情報を表示するとともに、LINE上に専用アカウントを開設し、予報情報を定期的に通知する。

 なお実証の目的は、住民がその地域におけるインフルエンザの流行予報に応じた事前対策を取れるようにすることで、手洗いやうがいといった予防行動だけでなく、例えば、子育て世帯では仕事の調整やレジャーの計画見直し、学校への対応といった、罹患した際に備えた行動を取りやすくなるなど、生活支援につながることが期待できるとした。

 両社では、今回の実証を推進するため、さいたま市に加えて、スーパーや薬局などの小売店、鉄道会社、医薬品メーカーなどの協力を受け、市内全域の保育園、幼稚園、公立小・中学校といった教育機関や地域住民に対し、サービスに関するチラシの配布やポスターの掲示を行って情報を提供し、利用促進を図る考えだ。

 また今回の実証を通じて、サービスの有用性を確認するほか、地域住民のQoL向上をはじめたとした社会的価値を検証し、将来的なサービスの事業化、さらなる潜在的ニーズの発掘による新サービスの検討を目指すとしている。