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2018年の国内CRMアプリ市場規模は前年比7.2%増の1572億円、IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は17日、国内CRM(Customer Relationship Management)アプリケーション市場について、2018年の同市場の分析と2019年~2023年の市場予測を発表した。2018年の国内CRMアプリケーション市場規模については、前年比7.2%増の1572億1400万円と推計している。

 市場全体を6つの機能市場に分類した内訳のうち、広告アプリケーション市場の2018年の売上額は、前年比9.1%増の388億3900万円となった。同市場は今回分類を新設したもので、ビッグデータ分析を利用したウェブページへのリアルタイム広告の配信が、消費者/ビジネスバイヤーのウェブアクセス増加により堅調に成長したと分析している。

 コンタクトセンターアプリケーション市場は、前年比14.6%増の293億4600万円。同市場は、官公庁関連の大型案件により成長率が高くなったという。カスタマーサービスアプリケーション市場は、前年比5.5%減の303億6400万円。2018年の同市場は低調で、FAQ生成の自動化などではAIを利用したシステムへの更改傾向があるが、チャットボットに市場が移行しているという。

 デジタルコマースアプリケーション市場は、前年比6.9%増の118億4900万円。同市場も今回分類を新設したもので、デジタルコマースは、近年の消費者におけるeコマース利用の増加や、スマートフォンなどの携帯機器からのショッピング増加により、需要が増加していると分析している。

 マーケティングキャンペーン管理アプリケーション市場は、前年比16.5%増の230億6700万円。同市場はマーケティングのデジタル化やオムニコマースの影響で、2017年から継続して高い成長率を維持した。セールス生産性/管理アプリケーション市場は、前年比5.8%増の237億4900万円。2018年は、大企業での利用者追加や、中堅中小企業への拡販が各ベンダーで行われ、堅調に成長した。

 IDC Japanでは、2018年はマーケティングキャンペーン管理アプリケーション/コンタクトセンターアプリケーション市場が、顧客エクスペリエンス(CX)をデジタルで創造する需要が高まっていることなどから市場全体の成長を牽引したと分析。一方、カスタマーサービスアプリケーションは、2018年は低調で、マイナス成長となったとしている。

 今後の国内CRMアプリケーション市場については、顧客エクスペリエンスの浸透、消費者/ビジネスバイヤーのデジタルトランスフォーメーション(DX)の進行などにより、2018年~2023年の年間平均成長率は5.8%、2023年の同市場規模は2079億8000万円になると予測している。

 IDC Japan グループディレクターの眞鍋敬氏は、「国内CRMアプリケーション市場が今後も成長を継続するために、ITサプライヤーは、CX向上を目的とした統合型CRMシステムの提供、B2B向けHyper Personalizationへの対応、およびCRMにおけるAIのユースケース化準備を行うことが重要である」と述べている。

国内CRMアプリケーション市場 売上額予測、2017年~2023年(出典:IDC Japan)