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2016年の国内CRM市場、マーケティング/セールスアプリが成長をけん引~IDC Japan調査

前年比3.7%増の938億円規模に

 IDC Japan株式会社は10日、2016年の国内CRM市場の分析と、2017年~2021年の同市場に関する予測を発表した。それによると、2016年の国内CRM市場規模は前年比3.7%増の938億5300万円で、2021年には1195億3000万円まで成長すると予測されている。

 IDCでは、国内CRM市場を「コンタクトセンターアプリケーション市場」「カスタマーサービスアプリケーション市場」「マーケティングアプリケーション市場」「セールスアプリケーション市場」の4つの機能市場に分類している。

 2016年は4市場のうち、クラウドサービスが市場の中心であるマーケティングアプリケーション/セールスアプリケーションが市場成長をけん引。マーケティングアプリケーションでは、消費者/企業購買担当者のデジタル化の進行、オムニコマースの進行によってデジタルマーケティングの需要が拡大し、前年比11.1%増の高成長になったという。

 またセールスアプリケーションでは、既設ユーザー企業では更改時のユーザー数が拡大したほか、従来導入されていなかった中堅・中小企業へのタッチポイントの拡大がみられたとのことで、前年比4.1%増と堅調な成長を遂げた。

 一方で残りの2市場については、2015年と比較して大型案件が少なく、2016年はプラス成長を維持したものの、成長率が鈍化しているとのこと。

 なお2017年以降の国内CRM市場は、デジタルトランスフォーメーション(DX)の台頭、顧客情報の分析/マーケティング自動化需要などの要因により、引き続き成長が期待されている。IDC Japanでは、2016年~2021年の年間平均成長率(CAGR)を5.0%、2021年の市場規模を1195億3000万円と予測。

 IDC Japan グループディレクターの眞鍋敬氏は、「国内CRMアプリケーション市場が今後も成長を継続するために、ITサプライヤーは既存CRMアプリケーションへのコグニティブ/AIシステム連携製品/サービスの開発、東京オリンピック/パラリンピックの開催に向けた顧客サポート需要への対応を積極的に行っていくべき」とコメントしている。

国内CRMアプリケーション市場 売上額予測、2016年~2021年(出典:IDC Japan)