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NECが新事業ブランド「NEC Smart Connectivity」発表 ネットワークの強みを生かしたサービス事業を展開
2019年4月25日 06:00
日本電気株式会社（以下、NEC）は24日、新ブランド「NEC Smart Connectivity」を立ち上げ、ネットワーク技術やソリューションの知見・実績などの強みを生かし、新たな領域におけるサービス事業を加速していく方針を発表した。同日に行われた記者発表会では、「NEC Smart Connectivity」を展開する狙いや、今後の取り組みについて説明した。
「NEC Smart Connectivity」は、NECがこれまでテレコム市場で培ってきたネットワークの強みを生かし、デジタル化の進展に応じた新たな価値を提供するサービスを、幅広い領域に向けて展開していく事業ブランド。「NEC Smart Connectivity」関連事業で、2021年度に売上高1000憶円を目指すとしている。
NEC デジタルサービスソリューション事業部長の佐藤崇氏は、ネットワークを取り巻く市場環境について、「現在、世界人口の増加とともに、IoTデバイスの数も急速に拡大しており、今後、人とモノに膨大な接点が生まれることが予想されている。また、これにともない、街や交通、生活、仕事などあらゆる分野で、AIやIoTを活用したサービスが広がっていくと見ている。その中でネットワークは、実世界のデータをサイバー空間で見える化・分析し、それを実世界にフィードバックして対処することで、新たな価値を創造する役割を担うと考えている」と説明する。
「当社ではこれまで、建設・交通・警備などさまざまな分野においてエンタープライズ企業や自治体と連携し、ネットワークの強みを生かした事業領域を拡大してきた。そして、この取り組みを通じて、IoT時代のネットワークに向けて、『カスタムメイドのネットワーク』、『簡単に使える様々なネットワーク』、『もっと簡単にデータを活用』という3つのニーズが顕在化していることがわかった。そこで今回、こうしたニーズに応えるべく、“ネットワークの常識を、変える”をコンセプトとし、新ブランド『NEC Smart Connectivity』を立ち上げた」と、新たな事業ブランドを展開する背景について述べた。
「NEC Smart Connectivity」では、（1）柔軟に、安心に、（2）簡単に、迅速に、（3）必要な人・モノに、必要な情報を――という3つの価値を提供するという。まず、「柔軟に、安心に」では、国内外における大規模・ミッションクリティカルなネットワークインフラ構築の知見と、さまざまな業種へのシステム構築・サービス提供ノウハウを結集し、柔軟で安心なカスタムメイド型のコネクティビティサービスを提供する。具体的には、交通事業者や自治体に対し、専用の大規模・セキュアな無線ネットワークなどを構築していく。
「簡単に、迅速に」では、顧客の用途に応じて有線・LPWA・LTE・5Gなど様々なコネクティビティから最適なものを選び組み合わせ、コンサルから導入、運用までトータルでサービス提供していく。具体的には、建設現場の一時的なネットワークや工場内のセンサーを結ぶIoTネットワークなどを、簡単かつ迅速に提供し、「Smart Factory」の実現をサポートする。
「必要な人・モノに、必要な情報を」については、大量のデータの中から必要なデータを抽出するコネクティビティを提供することで、情報の価値を高めていく。具体的には、流通や金融事業者などに対して、生体認証・ID連携・データ連携・ブロックチェーンなど様々な技術を組み合わせたサービス基盤を提供し、必要な人・モノに必要な情報を届けるデータ流通を促進する。
なお、同社では、「NEC Smart Connectivity」の立ち上げにあわせて、事業推進体制の強化を図っている。NEC社内の企業・自治体向けネットワーク要員と通信事業者向けネットワーク要員を集約し、「NEC Smart Connectivity」事業要員として500人体制に整備。また、NECグループのシナジーを強化し、グループ一体となってサービスを提供していく。
さらに、顧客にサービスを実感してもらい、アイデアを共創してソリューションを試作する空間として、今年夏をめどにNEC玉川事業場内に「NEC Smart Connectivity Lab」を開設する予定。また、昨年から様々な業種の企業と取り組んでいるサービス共創の場「5G Co-Creation Working」を通じて、オープンイノベーションによって「NEC Smart Connectivity」のビジネスをさらに加速させていく考え。