ニュース

ソフトバンク、Pepperの法人向けプラン新版「Pepper for Biz 3.0」提供、コミュニケーション能力や管理性が向上

 ソフトバンクロボティクス株式会社とソフトバンク株式会社は16日、人型ロボット「Pepper」を利用した法人向けサービス「Pepper for Biz」の新版として、「同 3.0」を提供開始したと発表した。3年以上の運用実績を基に、コミュニケーション能力や管理プラットフォームの利便性向上などを行っているという。

 Pepper for Bizは、一般向けに提供されているPepperをベースに、受付や声かけなど、法人向けアプリケーションを標準搭載したモデル。今回の新版提供にあたってソフトバンクロボティクスでは、人との自然な会話を実現するためにヒューマノイド用会話プラットフォームを新たに構築しており、応答性能を向上させたという。

 具体的には、日本マイクロソフトのソーシャルAI「りんな」の技術を応用したAIマーケティングソリューション「Rinna Character Platform」と、自然言語に対応した会話型エージェントを開発できるGoogleの開発プラットフォーム「Dialogflow Enterprise Edition」を活用しているほか、3000以上の接客や受付、介護などの業務別会話シナリオが搭載された。

 このプラットフォームの活用により、従来モデルと比べて、顧客からの話しかけに対する「自然応答率」(会話が破綻せずに応答できる割合)が約7倍向上。「会話キャッチボール数」も約7倍となり、より自然な会話を楽しむことが可能になっている。さらに、個別の会話シナリオを自由に登録できるようになっており、顧客からひんぱんに受ける質問に対してスムーズな回答を行えるとのこと。

 加えて、基本アプリとして提供する「ビデオ通話」を用いることで、遠隔でも顧客とのコミュニケーションが可能になるため、現場にスタッフがいない場合でも、遠隔からPepperを介して受付や案内などの対応が可能になったという。

 このほか今回は、人を検知するためのアルゴリズムを刷新し、Pepperが人を検知できる範囲を従来の4倍以上に強化した。音声合成技術とマイクの性能の向上によって、会話の聴き取りの精度も改善されているので、ショッピングモールなどの騒音がある環境でもスムーズに会話できる。

 また2019年夏には、顔認識機能の提供も予定され、性別、年代に加えて個人を識別できるようになるとした。

 一方で、管理プラットフォームの利便性向上を行うなど、管理者向けの機能も強化されている。具体的には、キーワードなどを設定するだけで簡単にPepperを業務活用できるクラウド型ソリューション「お仕事かんたん生成」がバージョンアップし、時間で業務の切り替えが可能なスケジュール機能の搭載や、顔認識に基づいた設定機能の追加などが行われた。

 加えて、遠隔で統合管理ができる機能を強化し、Pepper管理ツール「Robot Suite」を用いて、「お仕事(アプリ)」の作成からロボットへの配信、ロボット稼働状況のモニタリングまでを統合管理ポータルとして提供する。

 価格は、「Pepper for Biz 基本プラン」が月額5万5000円の36カ月契約(合計198万円)。Pepper本体のレンタルと、「お仕事かんたん生成 3.0」「インタラクション分析」「Robot Suite」「スマートロボットメンテナンス」が含まれる。また別途、ロボット手続き手数料(9800円)と、あんしん保証パック(9800円×36カ月)加入が必要となる。

 なおPepper for Biz 3.0は新サービスという位置付けになり、現在、Pepper for Bizを契約中の企業も別途契約が必要とのことだ。