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RPA女子が開発した、すぐに使えるRPAロボパーツを提供―― RPAテクノロジーズとMAIAのSMB向け新サービス「BizRobo!マーケット」

 RPAテクノロジーズ株式会社と株式会社MAIAは10日、中堅・中小企業の基幹業務効率化実現に向け、RPAロボパーツ集「BizRobo!マーケット」を4月9日から提供する。

 当初はオービックビジネスコンサルタントの「勘定奉行シリーズ」、PCAの「PCAシリーズ」、freeeのクラウド「freeeシリーズ」に対応したロボパーツと、利用するソフトを問わない共通業務パーツ約130を提供し、4月末には300パーツまで拡大。さらに対応ソフトを拡大し、2019年末には1万パーツを揃える計画だ。

BizRobo!マーケットとは
第1弾のパーツ

 料金はサポートなし、利用するパーツが5個までの場合が無料、サポートなし、月間10個まで利用できるライトは月額2万5000円(税別、以下すべて同じ)。

 サポート付きは、パーツを月間20個まで利用可能で、サポートチケット5枚のスタンダードは月額5万円、月間30個まで利用可能で、サポートチケット10枚のプレミアムは月額7万円。

 販売はダイワボウ情報システム(DIS)と富士ゼロックスが担当し、1000社導入を目指す。

 なおパーツ開発などを担当するのは、「RPA女子」の名称で組織化した、BizRobo!パーツを開発するスキルを持った女性群。在宅や週に数日だけの勤務でも参加できることから、ITの知識や業務知識、税務知識などさまざまなノウハウを持った人材が参加しており、サービススタート時点で1400人が参加しているという。今後は、参加者をさらに増やしていくことでパーツの品ぞろえを増やすとした。

BizRobo!マーケットの開発体制

中小企業のRPA導入促進を図る新サービス

 新サービス開始の背景をRPAテクノロジーズの代表取締役社長である大角暢之氏は、次のように説明する。

 「RPAということばがなかった2008年からBizRobo!を提供し、企業の生産性向上に取り組んできた。すでに1000社以上に導入し、2000社、3000社を目指すというところまできたが、依然として中小企業のRPAツール導入は進んでいない。労働人口の減少、従業員の高齢化、国内の労働人口が首都圏に集中することで起きる若者流出が同時並行で加速化している。中小企業もRPAに大きな期待を寄せいているものの、実導入に至っていない」。

 大角氏は中小企業のRPA導入を阻む原因として、(1)RPAを自社導入できる人材がいない、(2)RPAの活用や適用方法がわからない、(3)RPAを運用できる人材がいない――、の3つを挙げる。

RPAテクノロジーズ 代表取締役社長の大角暢之氏
中小企業のRPA導入を阻む3つの要因

 「一方、成功要件としては、すぐに利用可能であること。導入後の運用が簡単なこと。導入支援が可能な体制をもっていることという3つの要素となる。そこで今回、マーケットプレイスにデジタルネイバーを構成する要素、もしくはそのものを提供する。サポートとサービスをバンドルして提供することで、導入後も運用しやすい環境を作る。さらに、導入支援力をもつDISとゼロックスを販売パートナーとして協力体制を整えたことで、導入を支援できる体制を構築するした」(大角氏)。

 パーツ開発を行うRPA女子を組織化したMAIAは、2017年に設立された企業で、RPAの専門スキルを持った女性の組織化によって、RPAの開発、導入、運用などの企業サポートを行う。MAIAの代表取締役社長である月田有香氏は、次のように説明する。

 「今回のRPA女子プロジェクトは、昨年(2018年)5月、RPAテクノロジーズ、MAIAに加え、V-CUBE、人材紹介業のWarisの4社が協力して起ち上げた。『復職したいが、家族環境などの問題でなかなか復職できない』と考えている人材が、活躍できる場を作ることを狙い起ち上げている。RPAは企業のバックオフィスや日々の業務効率化を狙ったものだが、実際に働いた経験から、『ここを自動化すれば作業効率があがる』といった時間を持っている女性が多く、RPAパーツ開発、サポートの大きな力となっている」。

MAIA 代表取締役社長の月田有香氏
RPA女子プロジェクトとは

 RPA女子は2カ月で専門知識を学び、現在6期生まで1409人が登録している。関東中心ではあるが、全都道府県にメンバーがいることから、地方の企業がRPA化する際の支援も行えるとする。

 また提供するパーツは、多くの中小企業が導入する業務アプリケーションの勘定奉行シリーズ、PCAシリーズ、freeeシリーズであることから、利用する企業自身が、効率化しやすい部分を理解して導入できることも強み。対応アプリケーションは3社のものに限らず、今後増やしていく計画だ。

 「中小企業がRPA化を検討する場合、エンジニアに頼むと高額な開発費が必要で仕事を依頼できない。地方の場合、そもそもエンジニアがまったくいないといった問題があった。今回、低価格で利用できるパーツをマーケットプレイスに提供することで、エンジニアがいない場合でもすぐに導入が可能となる」(月本氏)。

 なお新しいパーツ開発については、メーカー側と要件定義を行い、ニーズが高いものなどをパーツ化していく方針としている。

RPA導入の課題

 開発や導入サポートなどを担当するRPA女子は、企業で働いていた経験があるものの、家族の転勤、子育て、定年退職など環境の変化によって新しい働き方を模索している人が多い。

 発表会に参加したメンバーは、いずれも「復職を計画したものの、自分のスキルアップにつながる働き方を模索していたが、実現が難しかった」「家族の状況で働ける環境が変わってしまう」など、何らかの問題意識を持っていた人ばかり。RPA女子がテレビなどで取り上げられたことで、「新しいスキルを身につけて働く機会になるのではないか」と考えて今回のプロジェクトに参加したという。

 2カ月の研修の最後には試験があり、これをクリアしたメンバーだけがRPA女子に参加することができる。これまでは60~65%の参加者が最終試験に合格しているという。

 現在も新たなメンバーも募集しており、さらなるメンバー増員も進めていく。

後列はRPA女子の参加者。前列は左から、エンドースメントを寄せたミッドランド税理士法人 テクノロジー担当取締役の小泉直哉氏、MAIAの月岡社長、RPAテクノロジーズの大角社長