ニュース

KDDIと台湾DNI、OSSを活用した最大3.2テラビットのパケット転送が可能なルーターを開発

 KDDI株式会社と台湾Delta Networks(以下、DNI)は22日、オープンソースソフトウェア(OSS)を活用し、最大3.2テラビットのパケット転送が可能なルーターの開発に成功したと発表した。

 KDDIでは、5Gを支えるIPネットワークの構成要素において、ルーターにはさらなる大容量への対応が求められており、電力・スペース・コスト・ユーザーインターフェイスの仕様などの観点から、拡張性に向けた取り組みが行われていると説明。一方、ハードウェア仕様のオープンソース化に関するコミュニティ(以下、OCP)では、省電力・省スペース・汎用化を目指し、データセンター向けスイッチ機器のオープン化に取り組んでいるが、OSとハードウェア間のパケット転送情報の反映処理において課題があるという。

 また、近年ではハードウェア制御に関するオープンなAPIが公開されており、パケット転送情報をハードウェアに反映させることが可能となっているとして、KDDIとDNIでは、省電力やコスト効果の向上と大容量のパケット転送を可能にすることを目的に、OSSを活用してハードウェアにパケット転送情報を保持させ、ハードウェア上でのパケット転送処理について開発を行った。

 KDDIとDNIが開発したルーターは、OCP準拠のハードウェア上にOSSやオープンAPIを活用したパケット転送制御ソフトウェアによる情報連携が可能となっており、コスト・ユーザーインターフェイス・運用の観点における有用性が期待できるとしている。

 KDDIでは、今回開発したルーターのさらなる機能拡充を進め、商用ネットワークへの導入に向けて検証するほか、OSSのコミュニティへの貢献を通じて、大容量かつ高品質なIPネットワークの実現に貢献していくとしている。