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NTTデータが量子コンピュータの活用支援サービスを提供、適用可能性評価や実機検証などを支援

 株式会社NTTデータは25日、量子コンピュータの特性を踏まえ、活用方法の提案、業務要件に基づいた検証・評価などを行うサービスを、同日より提供開始すると発表した。まずは「量子アニーリング方式」を中心に、ハードウェア/ソフトウェアを開発している複数の企業と協力して実機検証を行い、最も効果的な活用方法を提案するという。

 量子アニーリング方式のマシンを活用するためには、数理最適化技術に基づく独特の定式化を行う必要があるほか、対象となる問題や業務要件に合わせて、各社のマシンを使い分ける必要があるという。そこでこのサービスでは、量子アニーリングマシンの適用可能性評価、数理最適化における定式化、実機を用いた性能検証を中心に支援するとのこと。

 検証可能な製品・サービス例としては、日立のCMOSアニーリングマシン、D-Wave SystemsのD-Wave 2000Q、富士通のデジタルアニーラ クラウドサービス、NTTのLASOLVといったものを挙げている。

なお、具体的なメニューは以下の通り。

上流工程の検討

業務・サービス要件における実問題に対して分析フローを整理し、量子アニーリング等の適用可否を精査する。適用可能な場合は、数理最適化問題のパターンに落とし込み、解ける形に変換

また、検証観点を整理し、検証計画を立案します。

マシン選定

対象とする問題のサイズや構造、求める精度などの要件をもとに、適したマシンを選定

実機検証

実問題を実機に投入し性能を評価。業務・サービス要件と照らし、有用性を確認

オーナーズデモ開発

導入イメージを把握するため、プロトタイプシステムを開発

量子コンピュータセミナー

基礎から導入例まで幅広いセミナーを提供

トライアル支援

検討の初期段階にある企業に対し、使い方や特性を把握するための試験的な評価を実施

 また今後は、汎用的な計算が可能な「量子ゲート方式」についても順次サービス展開を図るとした。

 NTTデータは、金融業界や交通・物流業界、製薬・化学業界をはじめ、さまざまな分野に展開し、2020年度末までに20件のサービス提供を目指すとしている。