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NEC、イーサネットでPCI Expressの延長を可能にする「ExpEther」のIPコア提供を開始

 日本電気株式会社(以下、NEC)は13日、ネットワーク(イーサネット)を利用してPCI Expressインターフェイスを数km以上に延長できる、NECが世界で初めて開発した技術「ExpEther」について、FPGAに組み込み可能なIPコアの提供を開始した。

 ExpEtherは、イーサネットを従来のIPデータ通信用として用いるだけでなく、接続距離が限られるPCI Expressやクロック信号、顧客独自のI/O信号などのデータ通信路として用いることで、接続距離の延長を可能にする。一般的なイーサネットスイッチ機器や無線LAN機器を用いた場合においてもデータが欠損しない高信頼転送を実現する。

 NECでは、製造現場における産業機器は、多品種少量生産や生産性向上のために、短期間開発や低コストと高性能の両立が求められており、低コストで高性能なイーサネットやPCI Expressを活用するケースが増えていると説明。一方、産業機器はネットワークの高信頼性や機器の分散配置が求められ、イーサネットでは高信頼通信、PCI Expressでは距離延長の対応が課題となるため、それらを解決する技術としてExpEtherを開発した。

 これまで、ExpEther技術を搭載した製品は、大学や企業への導入をはじめ、公共・社会インフラシステムなどを中心に採用されてきた。NECでは、次世代インダストリーの早期実現を目指す顧客との共創に向けて、低コストなFPGAに組み込み可能で短期間での導入を実現する、ExpEtherのIPコアのライセンス提供を開始した。

 ExpEther IPコアの提供価格は個別見積もり。NECでは、産業機器メーカーを中心に今後3年間で30社への販売を見込む。