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富士通、AIを活用したパーソナライズドバンキングサービス提供に向けた共同実証実験を開始

 株式会社Blue Lab、イスラエルPersonetics Technologies、富士通株式会社の3社は17日、マネーツリー株式会社の協力のもと、バンキングサービス利用者にAIを活用して適時的確なフィナンシャルアドバイスを行う、パーソナライズドバンキングサービスを提供するPersoneticsのソリューション「Personetics Engage」の共同実証実験を行うと発表した。

 Personetics Engageは、20行以上の欧米大手銀行で導入実績を持ち、スマートフォンやPCを利用した銀行のデジタルチャネルを中心に5000万人以上が利用している。金融業界に特化したノウハウを活かした複合的なAI技術により、ユーザープロファイリング、金融行動パターン認識、レコメンデーション最適化、キャッシュフロー予測などを行うことで、個人金融資産の変動・予兆の検知や、個人金融資産の状況に関するパーソナライズされたアドバイスを利用者ごとに適時的確な内容で配信し、日常生活に密着したファイナンシャルアドバイスを提供する。

 実証実験では、10月17日からBlue Labと富士通の社員を中心とした協力者約300人が、利用者目線でPersonetics Engageを体験し、3社でレコメンデーションの精度と、顧客満足度向上の効果を測定・検証する。

 Personetics Engageを活用し、国内金融機関が保有するデータおよびマネーツリーのサービスを活用することで得られた個人資産管理データをもとに、被験者の口座情報、入出金予定、入出金実績、クレジットカード明細に基づく、キャッシュフローをモニタリングし、被験者一人ひとりに適切なレコメンドを配信。Personetics Engageが生成するアラートやアドバイスなどのインサイトの内容について、日本市場における導入効果を測定する。

 実験では、BlueLabが実証実験データを、Personeticsが実証実験環境を提供。富士通が実証実験環境へのデータ投入を行う。検証ポイントとしては、生成可能なアラートやアドバイスなどのインサイト数の測定、インサイトの内容と日本の金融機関サービスとの親和性や実現性の評価、被験者による利用意欲の評価、ソリューションの導入および正式サービス提供に向けたデータ連携性評価、および運用方法の明確化を挙げている。

 3社は今後、実証実験の結果を踏まえて、日本国内において、デジタルチャネルを通じ、タイムリーなファイナンシャルアドバイスやキャッシュフローに関するアラーム通知を可能とする、AI技術を活用したレコメンデーションサービスの提供により、利用者が日常的に使いたくなるような金融機関向けの新たなパーソナライズドバンキングサービスの事業化を目指すとしている。