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Preferred Networks、深層学習技術を用いた製造現場向け外観検査ソフトウェアを提供

 株式会社Preferred Networks(以下、PFN)は11日、深層学習(ディープラーニング)技術を用いた外観検査ソフトウェア「Preferred Networks Visual Inspection」を開発したと発表した。12月より、パートナー企業へのライセンス提供を開始する。

 Preferred Networks Visual Inspectionは、深層学習技術を利用し、高精度な外観検査を可能にするソフトウェア。

 現在、製造現場において外観検査に深層学習を用いる場合も多くなっているが、一般には、数千枚単位の学習用データを用意したり、画像処理エンジニアによる学習支援を行ったりする必要があるほか、検査結果の説明性が乏しいといった課題があるという。

 これに対して、今回発表されたPreferred Networks Visual Inspectionでは、良品画像100枚と不良品画像20枚からという少量の学習データで検査ラインを短期に立ち上げられる点が特徴。素材や形状も、金属・プラスチック・布・食品などさまざまなものに対応できるとした。

 また、キズ・異物・汚れなど、異常個所の可視化による高い説明性を持つこと、直感的な学習UIにより、エンジニアでなくても簡単に操作できることもメリットとしている。

 なお、製品は学習支援ソフトウェアとCPU版異常検知ソフトウェアから構成され、システム構築にあたっては、学習ワークステーション、検査機PC、撮影装置、可視化・操作UIなどを、必要条件に応じて自由に組み合わせ、ライセンスパートナーから導入可能。オプションでは、高速検査のためのGPU版異常検知ソフトウェアも提供する。

 PFNでは、Preferred Networks Visual Inspectionを用いることにより、運用のシンプルさと高精度を両立した自動外観検査システムを安価かつ短期間で構築でき、コストやシステムの柔軟性の問題から自動化できていなかった製造ラインにも導入しやすくなったとアピールしている。

 さらには、問題個所を可視化する高い説明性があるため、個人のスキルに頼りがちな製造現場での技術継承、ノウハウの横展開にも有用とのことだ。

Preferred Networks Visual Inspectionと従来製品の比較