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ServiceNow、最新バージョン「London」を提供開始

 米ServiceNowは5日、SaaS型ITサービス管理ツール「ServiceNow」について、最新バージョン「London」の提供を開始した。

 最新バージョンでは、顧客や従業員に対して簡潔で直感的な体験を提供するクラウド型のAIを活用し、チャットボットなどの新たなアプリケーションや機能を追加した。

 新たに提供される「ServiceNow virtual agent」は、チャットボットによるユーザーとインタラクティブな会話を実現する機能を提供する。顧客や従業員は、質問やリクエストの依頼から、インシデントやケースの解決にいたるまで、すべてのやりとりをチャット上で直感的に行うことができ、オペレーターを介さずにタスクを完了させられる。

 また、実際にチャットをしている顧客や従業員に関連する社内の情報をチャット上のやり取りとひも付けることができるため、より個別の状況や事情に即したユーザーエクスペリエンスと迅速な解決が実現される。

 IT、人事およびカスタマーサービス業務向けに事前に定義・設定されたチャットボットが提供されるが、「ServiceNow virtual agent designer」を使って、特定のビジネスニーズを満たすために企業独自のチャットボットを構築することもできる。

 カスタマーサービスマネジメントの「Major Issue Management」は、多数の顧客に影響のある重要な問題が起きた際に、カスタマーサービスのコミュニケーションや解決プロセスを統合的に管理できるようになる。問題を一元管理するために一つのケースを作成し、ケース全体から個別に影響を受ける顧客まで自動的に情報の同期を取りながら、迅速に問題解決を行うプロセスをサポートする。

 ITサービスマネジメントの「Walk-Up Experience」は、従業員に対してITサポートスタッフが対面形式にて効果的にサポートが行えるITサポートサービス機能を提供する。従業員はITヘルプデスクのサポート依頼をオンライン上で事前予約が行え、自分の順番になってからITヘルプデスクに向かうことができるようになる。これにより、待ち時間が短縮され、従業員の生産性と従業員満足度が上がり、統一されたIT機材などの在庫管理およびリクエスト状況の可視化によって、従業員に対して迅速かつ期待に沿ったITサービスを提供できるようになるとしている。

 ITオペレーションマネジメントの「Insights Explorer」は、すべてのインフラの構成情報に関する動的なメトリックデータを検索することで、ITリソースのパフォーマンスを可視化できる。また、多くの構成情報にまたがる実データの数値および算出された異常値を使ったパフォーマンスレポートを作成することで、IT環境全体に広がるパフォーマンスの問題をより早く検知できる。

 セキュリティオペレーションの「Security Incident Response」は、セキュリティアナリストがカスタマイズ可能なユーザーインターフェイスを通じて、ビジネス上の優先度に応じて順位付けされたセキュリティインシデントデータにすばやくアクセスできる。また、インシデント対応のプロセス全体で、経験の浅いセキュリティアナリストを支援する対応手順書へのアクセスも含まれる。

 人事サービスデリバリの「Employee Document Management」は、今まで紙で管理していた従業員の書類(ドキュメント)を電子化し、一元管理することを可能にする。人事担当者は、法や社内規定に基づいて定められた期間、従業員ドキュメントを管理しておくことができ、必要な時に即時に対象ドキュメントを検索できるようになる。また、ドキュメントに関するアクセス権についても厳密に設定でき、コンプライアンスに基づいて管理できる。