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国内SDN市場のベンダーシェア調査、ヴイエムウェア、シスコ、NECが“3強” ~IDC Japan
2018年8月20日 17:07
IDC Japan株式会社は16日、国内SDN市場に関するベンダーシェアを発表した。それによると、同市場ではヴイエムウェア、シスコシステムズ(以下、シスコ)、NECのシェアがその他の企業よりもかなり高く、“3強+その他”の市場構造になっていることが分かったという。
IDC Japanでは、SDN市場の主要構成要素であるSDNコントローラー市場を、ソフトウェアライセンスとして提供されるNVO(Network Virtualization Overlay)ソフトウェアとSDNコントローラーアプライアンスに分けて分析している。
このうち、2017年の国内NVOソフトウェア市場では、ヴイエムウェアが70%以上のシェアを獲得した。ヴイエムウェアが、SDN市場の初期参入ベンダーの中でもっとも成功したベンダーとして勝ち残った理由として、「強固なサーバー仮想化の顧客基盤」「データセンター自動化の過程への適切な位置付け」「マイクロセグメンテーションという武器」といった、3つの戦略的理由があるとIDC Japanでは分析している。
一方で国内SDNコントローラーアプライアンス市場は、シスコとNECが2大ベンダーとしてシェアを分け合っているとのこと。シスコは、データセンターSDNのCisco ACIが2017年の成長をけん引。データセンターネットワークにおける強固なインストールベースを、SDNソリューションの展開にもうまく活用しているのみならず、データセンター向けイーサネットスイッチに対する高いロイヤルティーと、ACIの持つポリシーの一貫性やデプロイメントのたやすさが評価されている、とIDC Japanは指摘した。
またNECは、最初にSDN製品を市場に投入したベンダーの1社で、同社のSDNソリューションは、企業ネットワークを中心に、マルチテナントネットワーク仮想化やセキュリティ防御を得意領域としている。2017年は、「自治体ネットワーク強靭化」に伴う需要増加に加え、製造業の次世代工場ネットワークソリューションなど、新たな領域への展開を進めて着実に実績を上げてきたとのこと。
なお、IDC Japan コミュニケーションズ グループマネージャーの草野賢一氏は、「SDNコントローラー中心のネットワークソリューションポートフォリオは時代遅れになりつつあり、“次世代ネットワーク”の旗印のもとで、クラウド管理型ネットワークやAIを活用したネットワークソリューションを早急に再構築すべき」と、市場の変化についてコメントしている。