ニュース

S&Iとジェナ、iOS向け画像解析アプリの効果検証サービスを提供

Watson Services for Core MLを活用した画像認識の検討を支援

 エス・アンド・アイ株式会社(以下、S&I)と株式会社ジェナは20日、IBM Watson Services for Core MLを活用したiOS端末向け画像解析アプリの開発・提供に先立って、企業が実運用への展開を判断するために利用できる、3カ月間の検証サービスを提供開始すると発表した。

 IBMとAppleは3月に、WatsonのサービスとAppleの機械学習フレームワーク「Core ML」を連携させるソリューション「IBM Watson Services for Core ML」を発表。ディープラーニング(機械学習)により画像に写っているさまざまなものを認識する機能「Visual Recognition」などを提供している。

 この特徴は、iPhoneやiPadで撮影した静止画・動画を、オフラインでもWatsonを利用して画像解析できる点。クラウドへアクセスするのが難しい環境や、イベント会場など、局所的にアクセスが集中してネットワークへつながりにくい状況下でも、スムーズな解析を行えるという。

 S&Iとジェナでは、こうしたメリットを生かし、iPhone/iPadを利用して、より手軽にリアルタイムの画像解析を行えるアプリの開発、および実運用化を目的とした検証サービスを提供する。

 サービスでは、IBM Watson Services for Core MLを活用した画像認識を検討している企業に対して、ツールについての理解を深めるための技術トレーニングと、検証用アプリ(契約期間のみ利用可能)、検証結果をまとめた評価レポートなどを提供する。このレポートは、本番導入に向けた判断のための材料としても活用できるとのこと。

 なお、Watsonベースの画像認識アプリを使うには、企業が持つ画像データを学習データとしてインプットする必要があるほか、アプリに画像データを正しく認識させるために、精度向上のための継続的な取り組みも必要になる。

 今回のサービスでは、S&Iの学習データ作成/精度向上に特化した専門組織「CORPUS factory(コーパス・ファクトリー)」が、撮影の構図やカメラアングルなどの改善方法を支援することで、利用目的や活用シーンに沿った、精度の高い画像の認識、および解析を実現するとした。

 一方、iOSアプリの開発は、法人向けモバイルアプリ開発で多くの実績を持つジェナが担当し、顧客のニーズに合わせたアプリを提供するとのこと。

 両社では活用例として、画像分析に基づくプロモーションや、画像認識による販促の加速、画像診断による不具合の早急な原因究明、といったケースを挙げている。