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ネポン、IBM CloudやWatsonを活用し農業分野で新事業を開始

第1弾として、生産者の知見共有を支援するチャットシステムを提供

 ネポン株式会社は10日、農業分野向けクラウドソリューション「アグリネット」事業で取得してきた、施設園芸用ハウスやハウス工場における環境制御のビッグデータと、IBM CloudおよびIBM Watsonを活用し、施設内の稼働機器の統合AI制御サービス事業を、2018年度より構築していくと発表した。

 今回の新事業は、農業に従事する生産者と新規参入する生産者、および生産法人の生産性向上、農作物の品質改善の成果達成に向けた時間短縮、制御管理業務の効率化などを支援するためのもの。具体的なサービスの第1弾として、IBM Watson Assistantや音声認識機能を使って開発したチャットシステムを、8月1日より提供開始する。

 このシステムは、これまでは情報共有が困難だった、生産者間での知見共有を促進するための仕組みになっており、生産者が専用端末に音声で質問すると、事前に蓄積された農家の知見とIBM Cloud上に保存される施設内のセンサー情報をもとに、自動で回答してくれるという。

 例えば、農業に新規参入する生産者が利用すると、土壌空間や地上空間などの分野で優れた農家の経験と知見を得られるため、農業分野への参入障壁を軽減できるとしている。

 また今後は、日本IBMとさらに協業することで、温室用冷暖房機、光合成促進機などに代表される栽培施設ハウス内の環境制御機器と、センサーおよびクラウド技術を一元管理し、ビッグデータと優れた農家の教師データを解析するAI(アルゴリズム)を活用。施設園芸向けの環境制御の最適化を目的として統合AI制御の実現を目指す。