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KDDI、グローバル企業の海外におけるIoT展開をサポートする「IoT世界基盤」を発表

日立と協業し、IoTプラットフォーム「Lumada」と連携

 KDDI株式会社は7日、グローバル企業の海外におけるIoTの通信接続からサービス展開、データ分析までを提供する「IoT世界基盤」を推進し、2019年度の商用化を目指すと発表した。

 KDDIでは2016年6月に、トヨタ自動車株式会社とクルマの「つながる化」を推進するため、国ごとに仕様が異なる車載通信機をグローバルで共通化するグローバル通信プラットフォームの構築を発表。このプラットフォームでは、機器に内蔵されたSIMの設定情報を遠隔操作により書き換え、KDDIが選定した現地キャリアへの直接接続を可能とすることで、通信キャリアごとに異なるIoT管理環境を意識することなく統合的に管理できる。

 今回発表したIoT世界基盤では、従来のクルマのほか、産業機械や建設機械などさまざまなモノの通信接続や課金の統合管理を可能とし、顧客企業が低価格かつ高品質の通信を利用できるようにする。KDDIでは、2019年度の商用化に向けて、日本企業の海外現地法人の約9割を網羅する世界50カ国以上における各国キャリアと基盤の連携を目指すとしている。

 さらに、通信接続の提供に加えて、KDDIやパートナー企業のIoTプラットフォームと連携することで、顧客企業のIoTサービス提供からデータ分析までサポートし、グローバルでの経営の見える化などに貢献していく。

 具体的には、「KDDI IoTクラウド Standard」などKDDIの提供するIoTプラットフォームと連携するほか、今後のさらなる市場の拡大においては、株式会社日立製作所(以下、日立)が提供するIoTプラットフォーム「Lumada」と連携し、各業界の特徴に合ったIoTサービスの提供を可能にする。また、連携パートナーは今後も拡大していく予定。

 KDDIと日立では協業の第一弾として、株式会社日立産機システムがグローバルに展開する産業用インクジェットプリンターにおいて、グローバル通信プラットフォームを7月から試験導入する。

 産業用インクジェットプリンターは、食品などの製造ロット番号や消費期限などの印字を行う機器で、日立産機製品の多くが海外で使用されている。印字品質の管理や製品の安定稼働の支援のために遠隔モニタリングの導入を図っているが、グローバルで安定的に導入するには、通信環境面で課題があった。

 グローバル通信プラットフォームを活用することで、セキュアかつ高品質な通信環境のもと、データの大容量化にも対応可能となり、高品質な遠隔モニタリングのグローバル展開が見込めると説明。将来的には、不具合の予兆管理などメンテナンスサービスの拡大やコストの低減を目指すとしている。