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富士ゼロックス、AI技術で文書処理や専門知識の体系化を実現する新サービス

 富士ゼロックス株式会社は1日、富士ゼロックス独自のAI技術「Document AI」をオフィスワークで実利用できるサービスとして、3つの新サービスを提供開始したと発表した。AI技術を業務プロセスに適用することで、文書処理や専門知識の体系化を実現し、人手不足解消を支援するという。

 1つ目は、受発注処理や請求支払い処理、加入者登録などで発生する大量の帳票データ処理を効率化する「高精度データエントリーサービス」。人の視覚情報処理の仕組みを利用した独自のAI技術を用いて、活字や手書きの文字情報を高精度に読み取る文字認識が特徴で、その結果に対する確信度に応じて目視確認の必要性を振り分ける業務プロセスの確立を支援する。

 富士ゼロックスでは、これを利用することで、人手によるミスを低減し、後工程を含めた業務全体の効率化・業務品質向上を支援できるとしており、適用例として、銀行や保険会社における口座開設や請求依頼、サービス業における申込書や住所変更届けの受付といった業務を挙げている。

 サービスは、同社SEによる業務環境構築支援サービス、またはアウトソーシングサービスとして提供される。価格は、費用対効果を確認するための検証サービスが150万円(税別)から、本運用サービスは個別見積もり。

 2つ目は、図面に記載された部品番号や技術標準番号とほかの技術文書の照合を行う検図業務などにおいて、プロセス改善を支援できる「図面情報抽出サービス」。図面上の文字情報を特定する独自のレイアウト解析と文字認識技術により、読み取りたい文字情報の場所指定などの前処理なしで、候補指定した文字列情報を効率的に抽出できるという。

 これにより、設計者の作業を大幅に軽減し、品質の高い業務遂行を支援する環境を提供できるとした。

 サービスはアウトソーシングサービスとして提供され、価格は、検証サービスが150万円(税別)から、本運用サービスは個別見積もり。

 3つ目は、専門性の高い膨大な量の文書を参照しながら、知識や経験に基づいて実施する問い合わせ対応や申請書の作成業務など、専門的な業務を支援する「専門知識体系化サービス」。文書に記載された語句を独自の自然言語処理技術で解析し、複数の文書間の語句と語句との意味的な関係性をひも付ける(リンキングする)ことで、専門知識の体系化を支援する。

 具体的な業務としては、製造業で設計変更が行われた際に、輸出先国の法規制への影響を確認する業務や、プラント設備業での保全業務の技術問い合わせ対応などに適用可能とのこと。

 富士ゼロックスでは、こうした業務は、関連する膨大な文書を専門知識をもった担当者が参照しながら行っており、少数の熟練者に業務が偏るだけでなく、結果として生産性の向上や若手社員への技術伝承をさまたげていると指摘。専門的な知識を体系化することで、特別な知識がない担当者でも業務に対応できるようになるとアピールしている。

 サービスは同社SEによる業務環境構築支援サービスとして提供され、検証サービスが1000万円(税別)から、本運用サービスは個別見積もりとなる。