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IDCフロンティア、白河データセンターの5号棟が竣工、クラウドサービスの増強および高負荷・大規模のハウジング需要に対応

白河データセンター5号棟

 株式会社IDCフロンティア(以下、IDCF)は18日、福島県白河市の環境対応型大規模データセンター「白河データセンター」の5号棟が4月に竣工したと発表した。クラウドサービスやコロケーションサービスなどの外販のほか、データセンターを保有するヤフー株式会社が引き続き自社用途としてYahoo! JAPAN各サービス運用のために利用する。

 白河データセンターは、2012年9月に1号棟が竣工し、2017年3月から建設を進めていた5号棟が完成した。5号棟は約1400ラックで、全棟では約3320ラック規模となり、16万5000台以上のサーバーを収容できる能力を有する。

 ネットワークの伝送路を直線距離に極力近づける最短経路で設計し、中継ノードも可能な限り少なくすることにより、東京-白河間のレイテンシーは3.5ミリ秒前後と、東京近郊に位置するデータセンターと同等の応答速度を実現。広大な敷地により拡張が容易な地方型の特長と、郊外型と同等のネットワークレスポンスを合わせ持つデータセンターだとしている。

 IDCFの拠点の中では東日本最大規模で、AI/ディープラーニング向けGPUコンピューティングなどクラウド基盤の増強や、拡張余力をシステム選定の条件とした企業やインターネットサービス事業者の大規模なハウジング需要に応えると説明。また、高い電力供給と冷却性能が求められる高性能サーバーの集積にも対応可能な柔軟なフロア設計を採用しており、1ラックあたり最大30kVAの機器収容にも対応する。

 データセンター内のネットワーク構成には、海外大手テクノロジー企業でも採用している大規模向けネットワーク構成であるCLOS Fabricを2016年から導入しており、クラウドやハウジングなどのサービス間を従来型のネットワークよりも広帯域かつシームレスに相互接続が可能。今後は、他拠点へのCLOS Fabricでのネットワーク拡張も進めていく。

 また、5号棟では白河の冷涼な気候を生かし、サーバーから出る排熱を処理するために、建屋への直接外気導入と水冷および空冷のハイブリッド空調を組み合わせたシステムを採用。空気の循環が1層で完結するシンプルな設計と建築一体型の空調システムとすることで、年間のPUEは設計値で約1.2となる高い冷却効率を見込む。