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セコムとNTT、通信データを用途・目的に応じ変換・伝送するネットワークアシスト技術の実証実験を開始

 セコム株式会社と日本電信電話株式会社(以下、NTT)は19日、IoTサービスの利便性向上を目的として、通信データを用途・目的に応じた形式に変換するネットワークアシスト技術の実証実験を開始した。

 セコムとNTTでは、高機能なIoT機器の普及や伝送データの大容量化に対応する技術の発展や新たな価値の創出を目指して、2016年から共同で研究を進め、大容量データを用途や目的に応じた最適なデータ形式・容量に変換・伝送する技術を開発した。

 カメラなどの高機能なIoT機器が広く普及した社会では、センサデータのようなデータ量の少ない通信に加え、大容量のデータを効率よくさまざまな用途や目的に応じて届けることが必要となる。

 開発した技術を活用することで、IoT機器間のデータ通信を最適化し、IoTサービス事業者は回線やサーバーの増強などといった特別な準備をすることなく、さまざまな利用者に大容量のデータを効率よく届けることが可能になる。

 実証実験では、NTT東日本の3棟の通信ビルを使用し、複数の拠点を有する大規模イベントを想定したカメラの映像データを、利用場面に応じ変換・伝送するネットワークアシスト技術の実用化に向けた検証を行う。

 具体的には、複数の拠点を有する大規模イベントでの警備利用という利用シーンを想定し、1台のカメラからの映像を、それぞれ「信頼性重視」「即時性重視」「映像品質変換」「過去データ利用」といった目的に応じたデータにNTT東日本の通信ビル内に設置したサーバーにて変換して伝送し、技術の有効性を検証する。

 セコムでは、大規模イベントでの警備などを想定したサービス提供に必要な映像データの品質変換および過去データ利用(貯留)の機能を提供。また、検証を通じ、現場周辺や遠方など複数の場所において、映像データをそれぞれの用途・目的にあった形で受信できるかを確認する。

 NTTでは、1つのカメラの映像データを利用場面に応じて、信頼性重視と即時性重視の用途に分流する機能、品質変換する機能を提供。この実験を通して、ネットワークアシスト技術が大容量データの効率的な伝送とIoTサービス事業者の利便性向上につながることを確認する。

 セコムとNTTは実証実験を通して、IoTサービス事業者の利便性の向上、高機能なIoT機器を利用した「安全・安心」かつ「快適・便利」なサービスの実現や、ネットワークアシスト技術を利用した新たなコラボレーションの拡大をめざして取り組んでいくとしている。