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横河電機とNTT西日本グループ、プラント設備で小型無線センサーとLoRaWANを活用した実証試験を実施
2017年11月27日 17:53
横河電機株式会社とNTT西日本グループは27日、横河電機の産業用小型無線センサー「Sushi Sensor(スシセンサ)」をプラント設備に設置し、低消費電力で広範囲をカバーできるIoT向け通信規格の1つ、LoRaWANネットワークに接続する実証試験を共同で行うと発表した。
横河電機では、産業用IoTの実現に向け、コンプレッサー、ポンプ、モーターといったプラントにある設備の状態を、オンラインで遠隔監視するために必要なセンサーと、収集したデータの分析や機械学習処理などを行うクラウドサービスの開発に取り組んでいる。
一方、NTT西日本グループでは、2016年6月から「LPWAネットワークを活用したフィールドトライアル」を開始し、さまざまな分野のパートナーとLoRaWANを含むLPWAネットワークの活用シーン創出に取り組んでいる。今回、両社は産業用IoTを活用したプラントにおける新たな価値創出を目指し、横河電機が有する無線センサー技術と、NTT西日本グル―プが有するLPWA技術を生かした実証試験を実施する。
実証実験では、国内のプラントにあるコンプレッサー、ポンプ、モーターといった回転機などの設備に、設備の状態を把握するために有効な振動や温度のデータを収集するSushi Sensorを設置。NTT西日本グループのLoRaWANネットワークに接続して、設備の状態を容易に監視する仕組みを構築する。これらのデータをオンライン監視することで、設備異常の早期発見や故障予知などのプラント保全に生かすことができる。
プラントの回転機には、経験を積んだ運転員による数時間に一度の巡回点検と、数カ月に一度の定期点検が行われている。無線センサーとLoRaWANネットワークを活用することでオンライン監視およびデータ蓄積が可能となり、運転員の経験と勘に依存しない適切な保守作業の実施、予期しないシャットダウンなど設備異常の早期発見によるプラント稼働率の向上、収集データ分析による故障の早期回復などの効果が期待できるとしている。
横河電機とNTT西日本グループでは今後、産業用IoTを活用した、石油・石油化学・化学・LNGなどのプロセスプラントにおける新たな価値創りを目指すとしている。