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日立、AIを活用して最適な計画立案を支援する「Hitachi AI Technology/計画最適化サービス」を提供開始
2017年10月23日 12:31
株式会社日立製作所(以下、日立)は、生産ラインのデータや熟練者の作業履歴など、AIを活用して解析し、自動的に最適な生産計画を立案する「Hitachi AI Technology/計画最適化サービス」を10月24日から提供開始する。サービスの価格は個別見積もり。
サービスは、鉄道の運行管理などで実績のある数理最適化技術とAIを連携した日立独自の制約プログラミングを適用して、最適解の高速抽出のほか、熟練者による生産計画を再現可能とするもの。設備の稼働状況や納期、生産ラインに投入できる人員といった複雑な制約条件に加え、膨大な熟練者の計画履歴から機械学習を使って熟練者独自の計画パターンを抽出・組み合わせて解析し、多品種・多工程の製品をどの順番で生産すべきかについて、最適な生産計画を導き出す。
こうした計画立案の熟練者は、制約条件を満たせない場合でも、条件を緩和して柔軟に計画の立案を行うなど、経験に基づくノウハウで高効率な計画を立案している。これらのノウハウをデジタル化することで、急な需要変動や納期の変更などにも、柔軟な計画立案を支援する。また、システムによる自動立案の結果を、熟練者が評価して継続的に学習することで、計画内容の品質向上を図る。
専門チームによる熟練者を含めた現場への調査やインタビューを徹底的に行い、計画立案に関する一連の業務を深く理解するとともに、日立のデータアナリティクスマイスターの解析する製造現場の様々なデータをかけ合わせ、熟練者のノウハウをシステムへ組み込む。
これにより、需要変動などの環境変化にも柔軟に生産計画の組み替えを可能にし、計画や見直しに要する負荷を軽減するとともに、生産計画の立案に関する技能継承を支援する。
サービスは、新日鉄住金株式会社との共同実証に適用されている。実証においては、熟練者の生産計画の一部について再現性を確認できたとして、2018年2月から本格的な実証環境を整備する予定。今後、日々の熟練者の生産計画とサービスにより算出した生産計画を比較・検証する段階に移行する。
日立では、新日鉄住金への共同実証例を、IoTプラットフォーム「Lumada」のユースケースとして、製造業の生産計画のほか、小売・流通における配車計画、旅客・貨物など交通・運輸の配送計画といった、他の業種におけるさまざまな計画業務へ幅広く展開していくとしている。