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2016年の国内プライベートクラウド市場は3093億円、2021年には5.2倍の1兆6045億円規模に~IDC Japan調査
2017年10月17日 15:13
IDC Japan株式会社は17日、国内プライベートクラウド市場予測を発表した。2016年の国内プライベートクラウド市場規模は、前年比44.8%増の3093億円。2016年~2021年の年間平均成長率は39.0%で、2021年の市場規模は2016年比5.2倍の1兆6045億円になると予測している。
国内市場の動向については、従来型ITからクラウドへの移行を進める企業が増加しており、電子メール、グループウェア、人事/給与、税務、経費といった汎用業務系システムが、パブリッククラウドSaaSへの移行が顕著だとしている。
一方、カスタムアプリケーションやアドオン開発を行った基幹系システムは、アプリケーションアーキテクチャを大きく変えることなく、クラウドインフラストラクチャに移行するクラウドイネーブルド(Lift & Shift)となるケースが多く見られ、これが現在の国内プライベートクラウド市場の成長を牽引していると分析している。
国内企業のクラウドに対する期待も変化しており、これまでは「IT予算の削減」を導入の期待効果あるいは促進要因として挙げる企業が多かったが、最近では「ITセキュリティの強化」や「ビジネスの迅速性の向上」を重要視する企業が増加していると説明。2017年3月に実施したユーザー調査「CloudView 2017」では、プライベートクラウドの導入促進要因として、「ITセキュリティの強化」を挙げる企業が最も多く、「IT予算の削減」は上位5項目には入らなかったという。
また、国内市場ではデジタルトランスフォーメーション(DX)に対する関心も高まっており、中でも、特定の産業に焦点を合わせ、新しい価値の創出を目的としたソリューションであるインダストリークラウドが急速に発展していると分析。インダストリークラウドでは、AI、IoT、ブロックチェーンなどの先端技術を活用することが多く、DXのプラットフォームとしてのプライベートクラウドが、今後の国内プライベートクラウド市場の成長を促進すると予測している。
IDC Japan ITサービスのリサーチディレクターである松本聡氏は、「国内プライベートクラウド市場は、新たな成長期を迎えようとしている。その成長を牽引するのはDXであり、ユーザー企業がITサプライヤーに求める内容、価値も変化している。一方、インフラストラクチャといった汎用領域では差別化が難しくなっているため、ITサプライヤーは特定業務や産業特化に注力することよって、自らの特徴や優位性を示すことが重要である」と分析している。