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アイル、CloudEndureのマイグレーションツールで21台のサーバーをAWSへ移行

MKIのサポート面も評価

 三井情報株式会社(以下、MKI)は17日、株式会社アイルが、MKIが販売しているイスラエルCloudEndure社製のライブマイグレーションツール「CloudEndure」を導入したと発表した。

 IT関連サービスを提供しているアイルでは、セキュリティや運用性、拡張性、コストなどの改善を目指し、外部データセンターで運用してきた21台のサーバーを、パブリッククラウドへ移行する検討を2016年末ごろから開始した。そして、いくつかの候補を検討した結果、ユーザー向けシステムの基盤としても用いていたAmazon Web Services(AWS)への移行を決定。具体的な移行プロセスの検討に入ったという。

 そして、移行元となる外部データセンターと、移行先となるAWSの並行稼働期間をできるだけ短縮すべく、効率的な作業が求められていたこと、また移行時のシステム停止時間を短く抑えることから、ツールの利用を決断。既存サーバーの構成・設定を変えないこと、特別な仕組みを持たず簡単に移行できることも条件としてツール選定を行った。

 当初はAWS純正ツールを検討したものの、アイルの環境下では制約があって利用できず、いくつかのサードパーティ製ツールの中からCloudEndureを採用した。同製品は、既存サーバーに手を入れる必要がなく、管理コンソールの設定とAgent導入だけで移行作業をシンプルかつ効率的に実施できる点が評価されたとのこと。

 アイルではPOC(概念実証)ライセンスでの検証を経て、4月下旬に25ライセンスを契約。移行作業は4月下旬に開始され、5月からサーバーが利用されていない週末などに4~5台ずつ順次切り替えを実施した結果、実働1人・1カ月強という短期間で移行が完了した。

 これにより、当初は半年程度を想定していたデータセンター、パブリッククラウドでのサーバーの並行稼働期間が1.5カ月に短縮され、データセンター解約を前倒しできたため、コスト削減につながったという。

 また一般的なサーバー切り替えでは、システムやデータのコピー、設定作業などで数時間~数日のサーバー停止が発生するが、CloudEndureを利用した移行はダウンタイムが圧倒的に短く、許容ダウンタイム内でサーバー切り替えを実現した。

 なお、アイルではCloudEndureの採用理由について、サポート面でMKIが窓口となって国内で対応可能なことも評価している。今回の移行においても、構成が特殊なサーバーで切り替えをうまく行えなかったケースが1件発生していたが、MKIがサポートを行い、問題の切り分けなどを実施。最終的には開発元のCloudEndure社までエスカレーションし、解決できたとのことだ。

 アイルは今後、社内サーバー室にあるサーバーもAWSへの移行を検討しており、その際には、再度CloudEndureを活用する予定という。