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関西電力グループと日本マイクロソフト、LPWAを利用したIoTサービスを開発

PoCサービスを7月より提供へ

 関西電力株式会社(以下、関西電力)、関西電力グループの株式会社ケイ・オプティコム、日本マイクロソフト株式会社は7日、LPWA無線技術(LoRa方式)を活用したIoTサービスを開発したと発表した。まず、7月よりPoC(Proof of Concept:概念実証)サービスを提供する。

 LPWA(Low Power, Wide Area)は、屋外における広域でのデータ収集や遠隔での機器制御などに対応した無線技術で、少ない消費電力で長距離通信が可能という特徴を持つ。

 今回開発されたサービスでは、双方向通信に対応するLoRa(ローラ)方式の無線通信機器と、ケイ・オプティコムが提供する通信サービス「mineo」、日本マイクロソフトのクラウドプラットフォームであるMicrosoft Azureを活用。関西電力グループの施設などに通信基地局を設置することで、工場内といったの局所的な利用だけでなく、ガス・水道メーター検針などの、屋外における広域でのデータ収集にも適用できるという。

 また、LPWAを活用した一般的な無線通信機器は上り通信のみに対応するが、LoRa方式を利用することで下り通信も行えるため、任意のタイミングで遠隔での機器制御が可能とした。

 データの収集・分析には、Microsoft Azureを活用しており、高い拡張性とセキュリティを担保しながら、さらにAIなどの機能と組み合わせることで、予兆保全やリモート監視による異常検知を実現するといった、さまざまなニーズに迅速に対応できる。

 PoCサービスは、本格展開に先駆け、顧客企業がIoT導入による効果検証を簡単かつ安価に実施できるよう、実証環境を用意するもの。センサー、通信端末・通信基地局による最適なネットワークの構築からデータ収集、収集データの分析・見える化といったIoTプラットフォーム機能の用意まで、ケイ・オプティコムがワンストップで提供する。通信端末・通信基地局はレンタル提供とすることで、価格を抑えたという。

 価格(税別)は、通信基地局が1台あたり月額3万5000円、通信端末が1台あたり月額1500円で、Microsoft AzureによるIoTプラットフォーム(データ収集、可視化アプリケーション)の利用料金、mineo利用料も含んでいる。センサー費用、通信基地局の工事費、アプリケーション開発支援費用は別途個別見積もり。

 なお、すでに、LPガスメーターの遠隔検針・遮断弁の制御、水道メーター難検針箇所の遠隔検針、ビル管理・メンテナンス業務の効率化といった用途へのPoCサービス提供を予定しているとのことだ。

 関西電力グループおよび日本マイクロソフトでは、PoCサービスの提供を通じて、IoTに求められる機能などの技術検証を進めるとともに、IoTのニーズやビジネス性の検証を行い、2018年度での本格展開を目指していく考えである。