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NEC、マルチキャリア対応のLTEモジュール内蔵VPNルータ「UNIVERGE WA2612-AP」

UNIVERGE WA2612-AP

 日本電気株式会社(以下、NEC)は5日、LTEモジュールを内蔵した企業向けVPNルータ「UNIVERGE WAシリーズ」において、新モデル「UNIVERGE WA2612-AP」を発表した。価格は10万8000円(税別)。

 「WA2612-AP」は、LTEモジュールを内蔵し、店舗やオフィスなどで無線ネットワークを構築できるVPNルータ。LTE回線はNTTドコモとau(いずれもMVNOを含む)に対応しており、それぞれに対応したSIMカードを搭載することにより、ユーザーが利用したいモバイル回線を自由に選択できる特徴を持つ。今後は、2017年度第1四半期にソフトバンクもサポートする予定だ。

 またUNIVERGE WAシリーズは、メイン回線の通信障害を自動的に検出し、バックアップ用のLTE回線へ経路を切り替えることができるネットワークモニタ機能を搭載しているので、モバイル回線は光回線のバックアップとして利用可能なほか、IoT機器のデータ通信用や、今後のサービス終了が予定されているADSL、ISDNといった回線の移行先としても利用でき、オプションの外部アンテナを装着すれば、電波の入りにくい場所への設置も行えるとした。

 さらに、外付けUSBデータ通信端末を装着すれば、2つのLTE回線を冗長化するデュアルモバイル機能にも対応。メイン回線の通信状況に応じて他方の回線に切り替えたり、両回線を同時に接続することで回線の負荷を分散させたりすることもでき、有線WANポートをあわせて最大3つのネットワーク回線の利用可能なため、信頼性の高いネットワークを構築できるという。

 有線のインターフェイスは、LAN側が1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T対応の5ポートスイッチ、WAN側が1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T×1ポートで、LAN側はIEEE 802.11ac/n/a/g/bの無線LANも利用できる。

 サポートプロトコルはIPv4/IPv6で、VPN機能はIPsec、EtherIP、L2TPv3に対応。ルーティング性能(IPv4)は最大2Gbps、IPsec性能は最大500Mbps(AES256/SHA2利用時)となっている。

 SIMは標準SIMとmicroSIMをサポートし、LTEで下り最大150Mbps、上り最大50Mbpsの通信を行える。3Gには対応しない。

 なおNECではこの製品の発売にあわせ、同社がMVNO事業者として提供する法人向けモバイル回線サービス「モバイルクラウド」で、従来のNTTドコモ回線(ネッツワイヤレス、BIGLOBE)のSIMカードに加え、au回線のSIMカードも取り扱いを開始する。