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TCSI、機密情報を分割して安全に送受信する「PASERI for Delivery」提供開始

 株式会社TCSIは30日、機密情報や大容量データの送受信用に、同社が開発したオープンセキュリティソリューション「PASERI」を利用した「PASERI for Delivery」の提供を開始した。

 PASERIは、秘密分散技術を用いて情報を意味のない状態に変換・分割することにより、万が一、分割片の1つが盗まれた場合でも、一部の情報を推測することさえ不可能な状態にできる仕組み。TCSIでは、重要データや大容量データを安価かつ安全に、簡単に送受信したいという企業のニーズに応え、PASERI for Deliveryを製品化した。

PASERI for Delivery概要図

 PASERI for Deliveryでは、送りたいデータをファイルやフォルダー単位で指定し、任意の数の無意味化した分割片に分割。分散片をそれぞれ別々のルート、例えば公衆回線やクラウド、メール添付、既存のファイル転送サービスなどを利用して送信、またはUSBメモリやSSD、HDDなどの物理媒体に保存し、運搬する。

 受信側では、集まった分散片からデータを復元。送信側にPASERI for Deliveryが導入されていれば、受信側は専用のソフトウェアなどのインストールは不要で利用できる。

 これにより、情報の送受信におけるセキュリティ対策コストが大幅に削減され、これまで漏洩リスクを残したままではネットワークの利用ができなかった企業や、物理媒体で運搬せざるを得なかった企業でも、ネットワークや第三者を介した送受信が可能になる。また、期日前は非公開にしたい映像や地図情報などの大容量データは、事前にデータの大部分を配信しておき、期日に最後の一片を配信するといった活用もできるとしている。

 PASERI for Deliveryの価格は、1法人あたり月額20万円(利用人数や台数制限なし)。既に、監査法人、地図データ関連会社、コンテンツ配信会社、官公庁など20数社が導入を検討しており、TCSIでは発売から1年で200法人への導入を目標とする。