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国内中堅中小企業でも「第3のプラットフォーム」の支出規模は堅調な拡大を予測~IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は10月31日、国内中堅中小企業(従業員規模:999人以下)における「第3のプラットフォーム」(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/データアナリティクス、ソーシャル技術)の利用動向について発表した。調査は2016年3月中旬に実施。国内中堅中小企業へのユーザー調査および、ベンダー、SIerなどへのヒアリング調査結果などを基にしている。

 第3のプラットフォーム市場における国内中堅中小企業の支出は、2016年は前年比8.3%増、2015年~2020年の年間平均成長率は6.0%を見込み、国内中堅中小企業のIT全体の市場と比較して高い成長率を予測している。

国内第3のプラットフォーム市場 中堅中小企業 支出額/前年比成長率予測、2015年~2020年(出展:IDC Japan)

 現時点の支出の中心はモビリティで、徐々にクラウドの利用も拡大。産業分野別では、金融業、製造業、流通業などで比較的高い成長率を見込んでいる。これらの成長率の高い産業では、営業担当者、店舗、または生産拠点といった現場でのモビリティの活用に伴うIT支出がけん引しており、さらにデータアナリティクスを活用した売上拡大、生産性向上を模索する動きもあり、今後も利用ソリューションの拡大が見込まれるとしている。

 「大都市圏」(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県)と「その他地域」との比較では、各ソリューションにおいて「大都市圏」の企業で導入率が進んでおり、両者の利用動向に顕著な差異が見られる。その要因としては、大都市圏には経営課題のために積極的にITを活用する姿勢の企業が多く、「第3のプラットフォーム」ソリューションも課題解決のために採用しているが、その他の地域ではIT活用は最低限に抑え、課題解決のためのIT活用に消極的な企業が多いことから、「第3のプラットフォーム」ソリューションの利用も停滞しているとしている。

 IDC Japan ITスペンディング リサーチマネージャーの市村仁氏は、「ITサプライヤーは、第3のプラットフォームの利用を拡大させるために、ユーザー企業に対して自社が抱える経営課題解決に即した提案を強化することでユーザー企業のIT活用の期待度をあげることが求められる」と分析している。