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ネットアップ、フラッシュ対応やデータ保護を強化したストレージOS新版「ONTAP 9」
2016年6月14日 06:00
ネットアップ株式会社は13日、ストレージOSの最新版「NetApp ONTAP 9」を発表した。米国で5月に発表された製品の日本での発表であり、6月末より日本での提供を開始する。
同時に、形態別に分かれていた製品名称を、3系統の提供形態にあわせて整理した。同社ストレージハードウェア向けのソフトウェアはclustered Data ONTAPまたはData ONTAPから「ONTAP」とシンプルなものにした。クラウド向けはCloud ONTAPから「ONTAP Cloud」と変更。仮想環境など向けのソフトウェア製品はSoftware Data ONTAPやData ONTAP Edgeなどに分かれていたのを「ONTAP Select」に統合した。
同日開催された記者発表会で、米NetApp ONTAP製品担当副社長のジェイ・サブラマニアン氏は「ONTAP 9はフラッシュ、ディスク、クラウドの共通基盤であり、あらゆるアプリケーションに対応する柔軟性を持つ」と説明した。
3つのカテゴリでONTAP 9の新機能を解説
ONTAP 9の新機能について、ネットアップ CTOの近藤正孝氏は、「フラッシュの容量効率やパフォーマンスの改善」「インストレーションと管理のシンプル化」「データの保護と利用性、セキュリティ」の3つのカテゴリに分けて解説した。
フラッシュストレージの改善のカテゴリでは、まず15TB容量のSSDに対応した。また、インラインのデータ圧縮に対応し、オールフラッシュストレージ製品のNetApp AFF（All Flash FAS）において4：1の実効容量を保証している。
これにより、1PBのストレージを例にすると、HDDでは2ラック以上になるところを、AFF＋15TB SSDでは8Uにおさまり、設置面積も消費電力も11分の1になるという。ONTAP 9でのAFFのパフォーマンスの向上の例として、OLTPのワークロードでONTAP 8.3から41％向上したというベンチマーク結果も示された。
また管理上の性能指標として、レイテンの増加曲線からシステムの最大性能を予測し、それと比較したパーセンテージで現状を示す「ヘッドルーム」により、管理者が判断できるようにした。
インストレーションと管理のシンプル化のカテゴリでは、典型的なワークロードでのストレージのセットアップを簡素化する「AFF最適化シンプルプロビジョニング」が用意された。Oracle RACやMicrosoft SQL Server、NFS／CIFs、仮想サーバー、仮想デスクトップといったワークロードを選ぶことで、1画面でセットアップでき、「従来はマニュアルを参照しながら数時間から1日かかったのが、開封から10分でセットアップ可能になった」（近藤氏）という。
3つ目のデータの保護のカテゴリでは、RAIDでパリティを3重に持つ独自の「RAID-TEC」に対応した。これにより、より大きなRAIDグループをサポートするという。
データセンターでの利用にも対応したとONTAP Select
統合された新たなソフトウェア製品のONTAP Selectは、1ノードまたは4ノードHA構成に対応し、100TBまでサポートする。従来のONTAP Edgeはシングルノードのみで、スモールオフィスやブランチオフィスなど向けだったが、ONTAP Selectではデータセンターでの利用にも対応したという。
なお、ONTAP 8から9は基本アーキテクチャは変わらないためシステム無停止でアップデートできるとのこと。ONTAP 7から8はアーキテクチャの変更によりアップデートが大変で、7互換の7-Modeも登場していた。
その7-Modeからの移行には、Copy-Free Transition（CFT）が以前から用意されている。7-Modeに接続されたシェルフをケーブルをつけかえて、メタデータのみ変換することで、データ本体をコピーせずに移行できるという。CFTの事例として、100TBのファイルサーバーを4時間で移行したケースも紹介された。そのほか、NASデータ移行サービスも紹介された。
