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仮想JVで中国市場進出 Webサイト性能改善技術のCloudFlare

クラウドが起こす地殻変動

 New York Timesの記事から約10日後、CloudFlareは自社ブログで、Baidu、Google、Microsoft、Qualcomm、Fidelity、それに既存の投資家から計1億1000万ドルを調達したと発表した。

 2009年創業のCloudFlareは2013年にも5000万ドルの資金調達に成功しており、2014年には黒字化を果たしている。ブログでは、クラウドが“地殻変動”としてこれまでの企業システムを土台から変えつつあるという自分たちの見解を披露している。

 これまで企業がシステムを構築する際は、DellやHewlett-Packard(HP)などからサーバーなどハードウェアを調達し、Oracle、Microsoft、SAPなどからデータベースや業務アプリケーションを購入、そしてCisco Systemsのネットワーク機器やSymantecなどのセキュリティソフトウェアでネットワークエッジを構築するというものだった。

 それが、新しいモデルではハードウェアを購入せずにAmazon Web Services、Google、Microsoftのクラウド基盤を利用し、Salesforce、Workday、NetSuiteなどのクラウドアプリケーションとサブスクリプション契約を結ぶ。最後のネットワークエッジにはCloudFlareというクラウド主導モデルに移行が進んでいる、というのだ。

 Fast Companyの取材でPrince氏はこの地殻変動を説明しながら、「今日、われわれの競合はCiscoなどのハードウェアベンダーだが、将来はAmazonになる」と述べている。Amazon Web Services(AWS)は既にCloudFlareの競合となる「CloudFront」を提供しており、CloudFlareの将来はAWSと競合するGoogle、Microsoftなどとの関係が重要になっているというのだ。

 Prince氏はMicrosoftがAzureでのCloudFlareのバンドルを求めていたことを明かす(現在、CloudFlareはAzure ADを利用すれば既存のCloudFlareサブスクリプションで利用できる)。残るQualcommについては、モバイルインターネットへの足がかりという。

 CloudFlareは急成長中で、2012年末時点では社員37人、15カ国23都市で展開していたのが、現在では社員数は200人を上回り、展開地域は33カ国62都市に及ぶという。中国がとりわけ重要な国であることは間違いない。

岡田陽子=Infostand