「ChatGPTには戻らない」　Gemini 3登場でAI競争の勢力図が一変？

テック業界のリーダーたちも魅了

　Gemini 3へのユーザーの反応も良好だ。公開から24時間以内に、Google AI StudioとGemini APIで100万人超が試用。GoogleのDeepMind部門でAI StudioとGemini APIのプロダクトリードを務めるLogan Kilpatrick氏は「初日の採用という観点から見て、われわれのモデルリリースの中で最高となった」とThe Vergeに語っている。

　この勢いは、ユーザー評価型のLLM（大規模言語モデル）ランキングプラットフォーム「LMArena」にも現れており、Gemini 3はチャートのトップに躍り出た。

　だが、最も驚くべきは、テック業界のリーダーや競合他社のトップたちがこぞってGemini 3に高評価を与えたことだ。

　Salesforce CEOのMarc Benioff氏は、「なんてこった。3年間、毎日ChatGPTを使ってきたが、Gemini 3を2時間使っただけで戻る気がしない」と述べ、「この進化は異常だ――推論能力、処理速度、画像、動画……全てがより鮮明で高速だ」と絶賛した。SalesforceはOpenAIやAnthropicとも深い関係にある。社交辞令を超えた率直な評価とみてよいだろう。

　元TeslaのAI責任者Andrej Karpathy氏は、提示されたベンチマークには「過剰適合の可能性もある」と留保しつつ、使用感については「パーソナリティ、ライティング、雰囲気のコーディング、ユーモアなどで好印象を持った」と述べ、「明らかに最上位層のLLMだ。チームの皆さん、おめでとう！」とXに投稿している。

　Stripeの共同創業者兼CEOのPatrick Collison氏も、「遺伝学における10の画期的発見をまとめたインタラクティブなWebページを構築した」と結果を表示し、「かなりクール」と評価している。

　そして、最大のライバルであるOpenAIのCEO、Sam Altman氏までもがXへの投稿で、「Google、Gemini 3ではおめでとう。素晴らしいモデルのようだ」と称賛した。Pichai氏はこれに祈りの絵文字で応じている。

　Business Insiderは一連の反応を紹介しながら、「テックリーダーたちの間で、モデルが高速化し改善される中、好みが急速に変化している」と分析している。