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Windowsが「Bash」をサポート クラウド戦略を進めるMicrosoft

開発者へのアピール

 MicrosoftがLinuxやオープンソース陣営への歩み寄りを明確にしたのは、2014年ごろからだ。同年、CEOに就任したSatya Nadella氏の「モバイルファースト、クラウドファースト戦略」に基づく。

 その後、.NET Framework、Windows 10でデフォルト搭載するブラウザ「Edge」のJavaScriptエンジンChakraなど多数の技術をオープンソースで公開し、Red Hatとの提携によるAzureでのサポートなどを進めてきた。

 Microsoftのクラウドプラットフォーム製品マーケティング担当ゼネラルマネージャー、Mike Schutz氏はLight Readingのインタビューに対し、「あらゆる開発者やIT担当者が使えるプラットフォームの提供を目指す。今日それは、Windows、Linux、Visual Studio、Node.js、Ruby、.NETなどで、Azureは(これらをサポートする)オープンなプラットフォームだ」と述べている。

 ZDNetはWindowsのBashサポートを伝える記事で、2015年にNadella氏が従業員に宛てたメモに触れている。Nadella氏は、その中で「われわれの戦略は、モバイルファースト、クラウドファーストの世界で、最高級のプラットフォームと生産性のサービスを構築することだ」と記している。iOSとAndroid向けのOfficeアプリの提供や、AzureでのLinuxサポートなどはこの戦略に沿ったものだ。

 今回の動きは「これまで欠けていた開発者からの関心獲得」を図るもの、とZDNetは位置づける。「同じプラットフォームでWindowsとBashの両方のスクリプトを走らせることができる。開発者はこの動きを喜ぶはずだ」と評価する。

(岡田陽子=Infostand)