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迫るAIの脅威? さまざまな分野の研究者が警鐘

人間を超越する「技術的特異点」

 2045年という年を挙げたのは、AI研究者で発明家、未来学者のRay Kurzweil氏だ。同氏は「技術的特異点」(Technological Singularity)という考え方を提唱しており、2045年に、これを迎えると予想している。

 技術的特異点は「テクノロジーが急激に変化し、それにより甚大な影響がもたらされ、人間の生活が後戻りできないほどに変容してしまうような、来たるべき未来」と定義する(Kurzweil氏自身は、人の限界を超える知性が生まれることで、人類はより高度な段階に進むと考え、脅威というより、肯定的にとらえている)。

 Kurzweil氏は、テクノロジーの発展は指数関数的な速度で進むと主張し、AIが人間の限界を超えることで、人類が初めて経験する大きな変化が目前に迫っていると考えている。このKurzweil氏の主張には、専門家からは「科学というより宗教」という批判も多い。

 ただ、Kurzweil氏が2012年にGoogleに入社して同社のAI研究を率いるようになったことなどから評価が見直されており、また研究面は「ディープラーニング」で機械学習が劇的に進展したことで、「人を超えるマシン」が現実味を帯びてきたと言える。

 そこでクローズアップされているのが、AIの倫理の問題だ。

(行宮翔太=Infostand)