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「企業はマルチクラウドへ、セキュリティ懸念は後退」 クラウド利用調査

 クラウドに対するセキュリティの懸念は下がり、企業は平均して6種類のクラウドを利用するマルチクラウド環境にある――。クラウド管理のRightScaleが発表した年次調査で、企業の順調なクラウド受け入れの様子が分かった。クラウドへのアレルギーがなくなった中、新しい課題は何なのか? また先駆者Amazon Web Servicesと追い上げるMicrosoftとの戦いもクローズアップされている。

企業にハイブリッドが増加、平均で6種類を利用

 調査レポート「RightScale 2016 State of the Cloud Report」は40ページからなる。広範囲の企業の計1060人の技術担当者を対象にクラウドコンピューティングの導入について調査したもので、現在のクラウド利用の全体像をうかがうことができる。その中で今回の最大のポイントとしているのは、ハイブリッドクラウドの増加だ。

 調査によると、クラウドを利用している企業の比率は95%で、前年(93%)から2ポイント増加した。パブリッククラウドの利用が89%で、前年から1ポイントの微増にとどまっている一方、プライベートクラウドは63%から77%へと大きく伸び、ハイブリッドクラウドを導入している企業が58%から71%になった。企業クラウドがプライベートクラウドを導入して、ハイブリッド化していることが分かる。

 ハイブリッド化に関連したトレンドが、マルチクラウドだ。RightScaleの調査では、クラウド利用企業は平均して6種類のクラウドを利用していることがわかった。単一のプライベートクラウドは9%、単一のパブリッククラウドは6%にとどまり、マルチクラウドは82%に達する。6つのクラウドの種類は、プライベートクラウドが3種、パブリッククラウドも3種と半々だ。さらに用途面から見ると、パブリッククラウドでは運用環境にあるアプリ用途とテスト用途が各1.5の半々だった。プライベートクラウドでは、これが運用環境1.7、テスト1.3だった。

 規模別にみると、従業員1000人超のエンタープライズで最も多かった利用比率は「パブリック20%、プライベート80%」で対象の39%。1000人以下のSMBでは「100%パブリック、0%プライベート」で対象の24%だった。エンタープライズではプライベート、SMBではパブリックという図式が見えてくる。

 こうしたマルチクラウドのトレンドを、Forbesは「(企業の)ベンダーロックイン対策であり、外部の専門知識として複数のソースを利用する戦略」と分析する。

(岡田陽子=Infostand)