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パブリッククラウドが本流へ 2016年クラウド展望

「イノベーションが生まれる場」としてのクラウド

 Forbesもクラウドの活況を予想するが、中でも特に「イノベーションマシン」という言葉を取り上げた。「単に最新のIT技術やコスト抑制のメカニズムというだけではなく、台頭しつつある“イノベーションマシン”としての役割が固まる年になるだろう」と述べ、これまで、クラウドでできなかったことが可能になる事例の登場に期待を寄せる。

 Forbesが注目するのは、技術投資の置き換えだけではなく、ビジネスモデルを変えたり、新たにビジネスモデルを作り出したりする場としてのクラウドだ。その例に挙げるのが、クラウドなしでは成立しないIoT(モノのインターネット)だ。

 2015年、産業向けのIoTコンソーシアム「Industrial Internet Consortium」が立ち上がった。工場オペレーションの視覚化、スマートグリッド、個別生産などさまざまなテストベッドが展開されている。Forbesは、IoTのほかにも、プロダクトデザイン、ライフサイエンスなどの分野で、クラウドを活用してかつてないようなコラボレーションや共有が可能になった事例を紹介している。

 EC2がベータ版という形で登場して10年。クラウドがさらに飛躍する年であることは間違いない。

岡田陽子=Infostand