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パブリッククラウドが本流へ 2016年クラウド展望

パブリッククラウド移行が加速

 Wired.comはもう一人、オープンソースのソフトウェア開発企業PivotalのゼネラルマネージャーJames Watters氏の証言を紹介する。「企業はプライベートクラウド構築のための新しい方法を模索している」とWatters氏は述べるが、その一方で、「(保守的な)顧客でも約35%がAWSのようなクラウドに運行を移行している」と指摘する。

 大手金融企業でもタスクをクラウドで処理するようプッシュしている、との動きを紹介しながら、「パブリッククラウドの利用が、かつてないほど増えている。われわれの中核である財務サービスもしかりだ」と続ける。この動向は2015年の前半に顕著になったという。

 すぐにこれまでのデータセンターがなくなるわけではない。しかし、「パブリッククラウドこそが本物のクラウドコンピューティングの将来なのだということに、すべての企業が気づいたのが2015年だ」とWatters氏は言う。Wired.comは、調査会社のForrester Researchがパブリッククラウド市場を2020年には1910億ドルに達する「ハイパー成長」分野と位置付けていることに触れる。これは数年前の予測を、20%も上方修正したものだという。

 IEEE Computer Societyは今年の9つの注目トレンドの中に「コンテナ技術」を取り上げ、クラウドへの移行を理由として挙げた。「クラウドにアプリケーションを移行する企業にとって、コンテナはスマートかつ経済的な方法で実現する」という。コンテナにはセキュリティ面での懸念が指摘されているが、これは2016年にはエンタープライズレベルに改善されると予想している。

(岡田陽子=Infostand)