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Salesforceが売却を検討? 超大型買収話の行方は

Microsoftが動く

 Bloombergは5月5日、複数の関係者の話として、MicrosoftがSalesforceの買収について検討を始めたと続報を伝えた。それによると、両社は交渉に入ってはいないが、Microsoftは以前からSalesforceが身売りする場合は買収したいとの考えを持っており、他社の買収の動きがきっかけとなって、自らも検討に入ったという。メディアはMicrosoftの動向をクローズアップし始めた。

 MicrosoftにとってSalesforce獲得のメリットは、まず相乗効果がある。Seeking Alphaは、AzureやWindows EnterpriseにSalesforceの製品を統合して、バルクライセンスによる値引きで売れば、市場での地位を強化できると指摘する。

 CRM市場は、群雄割拠状態だ。Gartner調べの世界シェアは、Salesforceが16%でトップ。以下、SAPの13%、Oracleの10%、Microsoftの7%が続く。Salesforceを合わせれば、Microsoftが4位からトップに躍り出ることになる。Microsoftはシェアをベースに、ソフトバンドルでビジネス顧客にアピールし、成長を加速。「この取り引きで、Microsoftはコストを時間とともに引き下げていき、統合後の部門売上高成長率を20~30%にすることも期待できる」(アナリストのAlex Cho氏)という。

 Microsoft内では、つい先日、2018年末までに企業向けクラウドの売上を年間200億ドルにする目標を掲げたところだ。今年3月を期末とする四半期で商用クラウド事業の売上は106%増。通年換算レートで63億ドルだった。

 また、MicrosoftとSalesforceは昨年、相互のソフトウェアの連携を強化していくことで合意している。Wall Street Journalによると、Microsoftのキャッシュ準備高は635億ドル(950億ドルとの試算もある)で資金力も問題ない。ちなみにOracleのキャッシュ準備高は115億ドルだという。

(岡田陽子=Infostand)