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データセンターの電力需要がさらに増加中 ビッグテック各社は原子力に突き進む

ますます厳しくなる電力需給

 エネルギー分野の分析を得意とする英Wood Mackenzieの調査では、米国で2024年前半に新設が発表されたデータセンターの総容量は24ギガワットに迫り、前年同期の3倍以上。既に2023年通年の数字を超えているという。

 多くのアナリストやコンサルタントは、2030年までのデータセンターの電力需要の伸びを、年間10%から20%の幅で予測している。

 ところが発電所の増設には、計画から運転までにかなりの時間がかかる。

 Wood Mackenzieは、電力業界では「新しいインフラ計画の立案に5年から10年を要する」ことを紹介した上で、“光の速度”で動くことに慣れているテクノロジー企業の幹部たちが、「電力事業者の動きのペースを知って衝撃を受けている」と述べている。

 進行中のデータセンターでさえ、電力確保は難しいのが現状だ。主要電力会社では、送電線網(グリッド)に対するデータセンターの膨大な接続待ちが積み上がっており、その容量は100ギガワット超。2023年のデータセンターの総容量の約4倍にも達するという。

 期待されていた再生可能エネルギーはもともと、24時間稼働のデータセンターの電源としては不安定という弱点がある。また、それ自体が送電線網への接続が不足していることが多く、ニーズを満たすことはできないというのが実情だ。