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新ビジネスモデル「サイバー傭兵」 台頭するアウトソースハッカー集団

サイバー攻撃の起業家?

 ハッキングのアウトソーシングは、比較的新しいモデルだ。セキュリティニュースのThreatpostは「テック産業は人材不足で、(AIGは)大規模な犯罪キャンペーンの一環としてサイバー傭兵を募集している」と伝えている。

 Dark Readingは、「AIGのビジネスモデルは、増加傾向にある雇われハッカーを活用している」と述べている。雇われハッカーはここ数年、世界中で増加しており、特にインド、ロシア、アラブ首長国連邦などに展開しているとする。その一例が、ロシア語話者からなる「Void Balaur」(別名RocketHack)だ。

 Void BalaurはTrendMicroが報告しているサイバー傭兵で、GmailやMail.ru(ロシアのメールサービス)などメールアカウントのハッキングから、パスポートなどの機密情報奪取まで、さまざまな攻撃を行う。TrendMicroの2021年11月の報告によると、18カ月で3500件以上をターゲットにしたという。同社はサイバー傭兵の台頭に警鐘を鳴らしてきた。

 攻撃ごとにサイバー傭兵を調達するビジネスモデルには柔軟性がある。

 「これまでのハッカーグループは、同じようなメンバーなので浮き沈みがあったが、Mr. Eagleは最高のサイバー傭兵をいつでも雇うことができる」とGihon氏は指摘する。そして「(AIGは)自分たちの匿名性を保つのに長けており、技術者としてではなく、起業家のようなオペレーションへのアプローチをとっている」と舌を巻いている。