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機械学習プラットフォームを刷新 Googleの「Vertex AI」

AWS、Microsoftを追う

 競合との関係ではどうだろう? 業界アナリストのJanakiram MSV氏はForbesのコラムで「GoogleはTensorFlowで機械学習および深層学習フレームワークとして成功したが、データサイエンティストと開発者に正しい体験を提供するという点では苦戦している」と指摘する。

 さらに、競合するAWSの「Amazon SageMaker」や、Microsoftの「Azure ML」と比べ、従来のGoogleのサービスは包括性に欠けていたと評する。そこで登場したVertex AIはFeature Store、Vizierなどの新機能を盛り込むことで、この差を縮められるとみている。

 Vertex AIへの評価は総じて好意的だ。TDWIのアナリスト、James Kobielus氏は「Vertex AIがGA(一般提供)となったことで、Amazon SageMaker、Azure MLや他のクラウドベースのMLOpsソリューションに対抗できるGoogleの包括的なMLOpsソリューションがそろった」とEnterprise AIにコメントしている。

 SiliconANGLEは、「AIモデル開発からライフサイクルのオペレーション化までをカバーする初のエンドツーエンドのプラットフォーム」(Forrester Researchのアナリスト、Kjell Carlsson氏)とのコメントを紹介している。

 また、Gartnerのアナリスト、Chirag Dekate氏は、SiliconANGLEに「企業のAI活用パイロットプロジェクトの半分が頓挫する」ことを挙げながら、「(企業には)数千ものモデルを開発し、運用環境で実装、管理、ガバナンスできるプラットフォームが必要」であると述べ、MLOpsソリューションの重要性を指摘した。

 Vertex AIはGAに至るまでの経緯も興味深い。ZDNetによると、2020年11月にプレビューとしてローンチ。数カ月前に「ユニファイドプラットフォームを静かにGAローンチした」という。

 お披露目は、Google I/Oの中となったが、これは主にコンシューマーや開発者向け技術のイベントだ。通常であれば、春の「Google Cloud Next」で扱われる話題だが、新型コロナの影響でイベントは秋の開催に延期された。これを待たず、Google I/Oで発表したのは、それだけ重要な製品と位置づけているためだろう。