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機械学習プラットフォームを刷新 Googleの「Vertex AI」

機械学習プラットフォームは発展途上

 Vertex AIとして刷新した背景には、顧客が感じている「危機的」な状況がある、とAI Platform担当プロダクトマネジメント・ディレクターのCraig Wiley氏は説明。ZDNetやTech Crunchのインタビューに答えている。同氏は、2016年から2年間、AWSでAmazon SageMakerを担当していた人物でもある。

 「3年から5年前、われわれ(クラウドや他のプラットフォームのプロバイダー)は、
notebookでトレーニングと予測ができるプラットフォームを立ち上げ、『これでモデルを開発して、本番に投入すれば完了です』と言ってきた。しかし、実際はそうはならなかった」

 さらにGoogle Cloudでは「AutoML Visionでトレーニングしても、われわれのスタック上でさえ同じデータセットを使うことができなかった」(Wiley氏)と、ツールが使いにくかったことを認めている。

 そこでVertex AIは、機械学習ワークフロー全体でUIを統合。モデルを一元的に格納して、AutoMLやカスタムコードトレーニングによるモデルのトレーニングや比較を、Vertex AI上のエンドポイントで実装できるようにした。その最終目標は「モデルの構築だけでなく、そこから本当の価値を得ることを確実にすること」(Wiley氏)という。

 化学・化粧品メーカーL'OrealのARプラットフォーム子会社ModiFaceは、Vertex AIを早期顧客として利用し、肌の画像データから顧客の肌に合ったスキンケア製品を提案するのに役立てているという。