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いよいよ登場へ、Andy Rubin氏の「Essential Phone」

「素晴らしい製品というだけでは売れない」

 だが、Essentialが成功するかについては懐疑的な見方が多い。今年9月にはSamsungが「Galaxy Note 8」を、Appleが10周年記念モデルを含む最新のiPhoneを発表する予定で、強敵が待ち構えている。

 Wall Street Journalは、Essential Products社長、Niccolo de Masi氏の「先進国では、新しいラブマーク(ブランド)が必要だ。情緒的結びつきを持ったコンシューマー向けのブランドが求められている」という言葉を引用する。

 そして、同社が目指すのはハードウェアとソフトウェアを結びつけるAppleのモデルであり、狙うのはマスではないと分析する。「まずは小規模のメリットを生かしてライバルよりも迅速にイノベーションを進める」(de Masi氏)というのだ。

 しかし、その「イノベーション」について、現時点ではイノベーションとは言えないとの指摘も出ている。Reutersは、着脱式の360度カメラはSamsungも出していると指摘した上で、「非常に難しい挑戦になる」(Technalysis Reserachのアナリスト、Bob O'Donnell氏)との意見を紹介している。

 Wall Street Journalは、流通面から分析する。キャリアで契約しているのは4番手のSprintのみだが、これについてStrategy Analyticsのアナリスト、Neil Mawston氏は「(スマートフォン市場は)競合ひしめく市場であり、素晴らしい製品があるだけではダメだ」と厳しい。

 さらにMawston氏は「Verizon、AT&T、T-Mobile USの3大キャリアで購入できないのであれば、そもそもスタート地点にも立てない」とスマートフォンビジネスの現実を突きつける。Essentialの前途は楽観できない。

 一方、もうひとつの製品「Essential Home」については、まだ新たな情報は出ていない。Business Insiderによると、Homeは今年後半にリリースの予定で、Alexa Fundの企業開発担当ディレクター、Paul Bernard氏が「Essentialとのコラボレーションを楽しみにしている」と述べたという。Amazonのコミットが、カギになる可能性もありそうだ。