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世界を混乱させるフェイクニュース AIは救いになるか?
2017年3月6日 11:16
AIを活用した試み
スタンフォード大学の19歳の学生、Karan Singhal氏は、記事のパターンや単語を検出してフェイクニュースであるかを判断するWeb拡張モジュール「Fake News Detector AI」を開発した。
既知のフェイクニュースサイトの特徴(トップレベルドメイン、デザイン、言葉の使い方、レイアウトなど)から基準を抽出してAIで判断するソフトウェアだ。基準は55あり、一定のしきい値を超えると「Fake(の可能性が高い)」と表示する。WebサイトでURLを打ち込んだり、chrome用のアドオンをインストールすることで誰でも利用できる。
先端研究者たちの取り組みも始まっている。AIテクノロジーの起業家でカーネギーメロン大学非常勤教授のDean Pomerleau氏は昨年末、AI技術によってフェイクニュースを除外するアルゴリズムのコンテスト「Fake News Challenge(FNC)」を立ち上げた。
主にマシンラーニングと自然言語処理によって、ニュース記事のストリームの中からフェイクニュースを締めだそうという試みで、元Amazonで「Echo」エンジンの開発に携わったDelip Rao氏と共同で進めている。5月1日まで参加者を募集しており、既に200人を超える研究者が集まった。優勝者には賞金1000ドルが贈られる。
課題は、他のニュースソースが、その話についてどう言及しているかをマシンに理解させることだ。この「スタンス検出」と呼ばれるプロセスを自動化すれば、AI支援型のファクトチェックシステムの要素技術となるという。FNCは段階的に進めることが考えられており、今回は「FNC-I」と呼ばれている。