Windows Server 2012研究所
“真のWindows 8”、Windows 8.1が登場したBuild 2013 (Windows 8.1こそが“真の”Windows 8)
(2013/7/16 00:30)
Windows 8.1こそが“真の”Windows 8
今回パブリックプレビュー版を公開したWindows 8.1は、ユーザーインターフェイス(UI)に関してはWindows 8をほぼそのまま引き継いでいる。
Modern UIのスタート画面、Windows Phoneスタイルのタイルアイコンなど、多くのUIはWindows 8のままだ。スタートボタンが復活したり、アプリの検索画面がアクセスしやすくなったり、起動時にModern UIのスタート画面を表示するのか、デスクトップ画面を表示するのかなどを選択できるようになったりと、非常に細かな部分での改良が多い。
このあたりは、Windows 8リリース後のユーザーの反応などを見て、Windows 8のコンセプトを曲げない部分で、ユーザーがリクエストしている機能を取り込んだといえる。
実はWindows 8.1では、見た目のUI部分よりも、内部のAPIに関する改良などが大幅に行われている。既存のAPIを改良したり、新しいAPIを追加したりするなど、Windows 8に比べると、Windows 8.1では5000個のAPIが増えている。
APIを増やしたのは、Windows 8でアプリを開発する上で、作り込みが必要だった機能をOS上で提供するため。これによって、アプリ開発を簡単にしようとしており、なかなか増えなかったModernアプリの数を、一気に増やそうと考えている。
例えばWindows 8.1では、Microsoftの検索エンジンBingが標準で採用されている。これにより、Windows 8.1で検索を行うと、キーワードに関する結果がインターネット、アプリ、ドキュメントなどカテゴリに分かれて表示される。さらにインターネットでの検索に関しては、単なるキーワードでの検索結果の表示を行うのではなく、ユーザーが知りたいコンテンツを中心とした結果表示を行っている。
これ以外にも、音声認識、音声合成、イメージ認識(写真などに写っている文字をテキストに変換)、翻訳、地図など、Microsoftが提供しているBingに関するクラウドテクノロジーを、Windows 8.1のAPIとして提供している。開発者は、新設されたAPIを使って、クラウドのBingが提供している機能をアプリの機能として利用できる。
また、クラウドストレージのSkyDriveもよりOSに統合されている。Windows 8でも写真のストレージとしてSkyDriveが利用できたが、Windows 8.1ではドキュメントなどの保存フォルダとしてSkyDriveを利用することができる。
Windows 8のデスクトップ画面では、SkyDriveのアプリケーションを追加で導入しないと、エクスプローラにSkyDriveフォルダは表示されなかった。しかし、Windows 8.1では、デフォルトでSkyDrive用のソフトウェアが導入されているため、デスクトップ環境においてもすぐにSkyDriveが利用できる。
Windows 8.1のOS自体ではないが、大きく変わったのが開発ツールのVisual Studio 2013だ。Windows 8においても対応した開発ツールとしてVisual Studio 2012がリリースされていた。しかし、機能面などを見れば、取りあえずWindows 8のリリースあわせてリリースものでしかなかった。
Visual Studio 2013では、スマートフォンの開発ツールで用意されているような、アプリのプロファイルを取る機能が追加されている。この機能を利用すれば、どのようなパフォーマンスで動作するのか、バッテリの使用率がどの程度か、などをチェックすることができる。
Visual Studio 2013は、さまざまな部分において、Modernアプリの開発を容易に行え、さらにアプリのクオリティを高めるテストができるようになっている。