Windows Server 2012研究所
“真のWindows 8”、Windows 8.1が登場したBuild 2013 (新しいフォームファクタを)
(2013/7/16 00:30)
タブレットかPCかではなく、新しいフォームファクタを
Microsoftでは、Windows 8.1において、幅広いフォームファクタの製品をPCベンダーがリリースできるように、基準を緩めている。さらに、巻き返しを図るため、低価格でWindows 8.1とOffice 2013のバンドルを提供しようと計画している。
Windows 8では、タブレットのインチ数や解像度などの基準が決まっていた。このため、10インチ未満のタブレットなどはWindows 8の規格外となっており、Windows 8では、8インチタブレットなどの製品はリリースされていなかった。
2013年になり、この規格を緩めたことで、8.1インチのWindows 8タブレットがAcerからリリースされた。
Build 2013の基調講演においてバルマーCEOは、「今後多くのPCベンダーから、さまざまなフォームファクタ、サイズのWindows 8タブレットがリリースされるだろう。重要なのは、タッチ機能をサポートすることで、タブレットとしても利用でき、キーボードを接続すればPCとしても利用できるようになることだ。今までのPCと同じように、Officeや各種のデスクトップアプリなども利用でき、タッチ機能を使ってタブレットとしても利用できるのはWindows 8だけだ」と語っている。
このように、タブレット、ノートPCといったカテゴリはなくなっていくのかもしれない。ノートPCのすべては、タブレットとしてもPCとしても利用できる、コンバーチブル型やキーボード着脱型など、新しいカテゴリの製品になっていくのかもしれない。
企業においても、タブレットとノートPCという二重投資を行うのではなく、1つのハードウェアで両方の機能を持つようになれば、今までのアプリケーションへの投資が生きるWindowsはメリットが大きい。
今後、Windows OSは、年1回をめどにアップデートを行っていくだろう。モバイル/タブレット向けであるが、競合となるAppleのiOS、GoogleのAndroidなどが年1回のアップデートを行っていることを考えれば、MicrosoftがOSのアップデートに3~4年もかかっていてはお話にならない。そこで、バルマーCEOは、今後WindowsをRapid Releaseサイクルで提供していくと話している。
Rapid Releaseとして提供されるWindowsは、ベースOSといえるWindows 8のマイナーアップデート+αとなるだろう。今後、Windowsはメジャーアップデートではなく、毎年細かなアップデートが行われ新しい機能が提供されることになる。
こういったリリース形態になると企業においては、導入する際の考え方を改める必要があるだろう。Windows 8.xなどのマイナーアップデートに関しては、どのOSでも企業内で利用できるようにすべきだろう。
クライアントPCが企業のネットワークに接続されている時に、クライアントOSのバージョンをチェックして、自動的にアップデートを行うような機能が用意されれば、企業内にあるタブレットやノートPC、デスクトップなどのクライアントPCのOSバージョンをそろえていくことができる。
Windows 8.x時代のクライアントPCを企業で利用するには、きちんとした管理が必要になってくるのだろう。
さて、Windows 8.1のリリースに関してだが、Build 2013の1週間後に米国ヒューストンで開催されたパートナー向けのカンファレンス World Wide Partner Conference 2013(WPC 2013)の基調講演において、8月末にRTM(製造工程向けリリース)を行うと発表している。
このため、Windows 8.1をプリインストールしたPCは、9月末~10月にはリリースされるようだ。また、既存のWindows 8ユーザーに向けたアップデートは、9月初旬にはWindows Storeから無償で提供されることになるのではないか。