クラウド&データセンター完全ガイド:インタビュー

台湾ODM大手のクアンタが日本法人を設立、「ホワイトボックススイッチ」の強みと戦略

[インタビュー]
台湾クアンタコンピュータ シニアバイスプレジデント
Quanta Cloud Technologyゼネラルマネージャー
楊晴華(Mike Yang)氏

PCの大手ODM/OEMベンダーとして知られる台湾のクアンタコンピュータ(Quanta Computer)。同社は近年、サーバーやネットワーク機器、ストレージなどのデータセンター分野にも注力。2014年12月には、販売子会社であるクアンタクラウドテクノロジー(Quanta Cloud Technology:QCT)の日本法人を設立し、日本市場での販売を強化していく方針を打ち出している。同社の戦略や日本法人設立の狙いについて、クアンタのシニアバイスプレジデントで、QCT Japanのゼネラルマネジャーに就任した楊晴華氏に話を聞いた。

世界のノートPCの約4分の1の生産を担うフォーチュン500企業

――PCのODM/OEMメーカーとして世界中に顧客を持つクアンタグループだが、ここ最近の取り組みについて聞かせてほしい。

楊氏:世界中で販売されているノートPCの約4分の1の生産を担っている。2013年には米フォーチュン500で、409位にランクインしている。最近は、サーバーやストレージ、スイッチ、ラックシステムなど、クラウド・データセンター関連市場への注力を強めている。この分野は、すでに当グループの全事業の中でも大きな割合を占め、さらに伸びているところだ。

実際、グローバルに活躍しているトップ30のクラウドサービスベンダーのうち、約半数の企業が当社の製品を導入している。また、全世界のサーバーのうち約7分の1、台数にして800万台以上が当社で生産されている計算だ。現在、多くの企業が活用しているクラウドサービスの多くに、クアンタの製品が組み込まれている格好だ。

――日本国内では、ネットワールドによる「ホワイトボックススイッチ」と呼ばれるベアメタルスイッチの販売開始が新しい。データセンター市場におけるクワンタの強みとは何か。

台湾クアンタコンピュータ シニアバイスプレジデント/クアンタクラウドテクノロジージャパン ゼネラルマネジャーの楊晴華氏

楊氏:当社はODM/OEMメーカーとして、サーバーやストレージ、スイッチなどのデータセンター向け製品の製造にかかわり、14年以上の経験を積んでいる。すべての製品を自社で設計・開発から製造まで一貫して行っている点こそが最大の強みだ。

まずは、品質。当社ですべての生産を管理しているため、安定的に高い品質を保つことができる。また、新しく有用な技術が登場したときには、最新の情報を得て、リアルタイムに製品へ組み込む技術力も持っている。

クアンタのネットワーク製品はソフトウェアの制約がなく、どのような規模のデータセンターもカバーできるラインナップをそろえている。なかでも、ハイパースケールと呼ばれる規模のデータセンターには、当社の高度なエンジニアリングおよびクラウド技術を高く評価してもらって、多数の導入実績を積んできている。

「サポートを強化して日本のユーザーによりアピールしたい」

――ホワイトボックススイッチが多数の事業者やユーザーに受け入れられる自信はどのぐらい持っているのか。

楊氏:OSが制限を受けない、すなわちベンダーロックインがないのが最大のメリットだ。選択肢の幅が格段に広く、ベアメタルのままでも、あるいは当社が提供するネットワークOSを搭載したソリューションとしても購入できる。今後のネットワーク市場において、こうした自由度の高さが、より多くの顧客に支持されていくはずだ。クアンタとしては今後、ネットワーク、ストレージ、サーバーなどの分野で、最新のSDx(Software-Defined x)技術を幅広く提供できると考えている。

図:ホワイトボックススイッチに至るスイッチ構成の進化(出典:ネットワールド)

――2014年7月、日本のネットワールドとの協業でクアンタ製スイッチが日本で販売開始され、コストパフォーマンスの高いホワイトボックススイッチの魅力を日本市場にもアピールしている。

楊氏:ネットワールドをはじめ、さまざまな企業から支援・賛同を得て、日本市場への進出をはたすことができた。非常に感謝している。今回、QCTの日本法人を設立したことで、日本のユーザーに対して、技術的なサポート/サービスをより緊密に提供できる体制を整えた。こうした取り組みは、我々の日本進出をサポートしてくれたネットワールドなどの企業への恩返しをしたいという思いもある。

――日本に拠点を置くことはクアンタの戦略上重要だったと。

楊氏:クアンタ本体もQCTも、設計・開発や製造段階でのコアな品質管理を追求し続けてきた。しかしながら、マーケティングや販売の面では、やはり日本の市場やユーザーを肌で知っているディストリビューターやベンダーとのパートナーシップを結ぶことが重要と考えてのことだ。ネットワールドとは、共に成長できるパートナーとして、今後もますます協力していきたいと考えている。